ジャララジログ

「わかってた。命は短いと。短いから懸命に生きるのだと。あいつは…懸命に生きたんだろうか。ああ、懸命だったに決まってる。おれのせいで、その生を全うは出来なかったけれど、いつだって一生懸命だった」
「こんばんはー。今宵も良い月だね。今夜もロイTonight。パーソナリティの岸辺ロイだ。今日もよろしく」
「おれはあいつに何もしてやれなかった。本当のあいつは、あんな最後を迎えるはずじゃなかったのに」
「第7回目の放送の今日は…って、鬱陶しいな。どうした」
「野菜が枯れた。庭の。エンドウ豆」
「あー。お前が植えてたやつだろ。おかしいなあ。お前がいない間朝、昼、おやつ、夜、夜食と水やりまくってたんだけどなあ」
「おまえのせいかーー!!土が乾かない程度でいいんだよ!週に2,3回で!大丈夫にしてたんだよ!」
「暑くないようにって、気を使って冷気魔術もぶつけてやったし、おれも気を使ったんだが…」
「エンドウ氏は寒さに弱いんだよ!!!おまえわかってやってないよな?」
「当たり前だ。エンドウに恨みはない。…そうか、エンドウには悪い子としたな…」
「エンドウ…」
「エンドウ…」
「……」
「……お悔やみ申し上げる」


「…なんでお通夜みたいな空気になってんのよ?」
「あ、そっか。悪いダリア。すっかり忘れてた」
「呼んでおいて忘れないで頂戴」
「今日のジャララジは、ゲストにダリアを迎えてお送りする、エンドウ追悼スペシャルです。DJは、ジャラヒ・ワートン。みんな、今日も最後までよろしく」
「そんな湿っぽい回に呼ばないでほしいわね…」
「ちなみに次回からこの放送、ダリアのだりだりだーりん♪になるってほんと?」
「知らないし聞いてないしやらないわよ」
「…っく。ライバル番組か」
「やらないってば」
「さて、ここで一曲。黒桜ダリアのデビューシングル『暗殺チェリー』」
「は??」
「POPでロックな曲にのせて、クールでハスキーな声が高らかに歌い上げる恋心。とてもかっこいい」
「ちょ、ま、まって、違う。違うわよ??」
「わかってる」
「わかってるさ」
「違うって!これ、私じゃないわ!私の声に似てるけど、私はこんなの歌わないから!」
「わかってるって」
「そうさ。ダリアがこんなに歌が上手いはずがない」
「カスタネットすら満足に叩けないだろ?」
「トライアングルも無理だった」
「手拍子すら難しすぎて半泣きだし」
「あー、リオに子守唄うたおうとして泣かせてたっけ」
「大丈夫だ。ダリア、おまえがこんなの歌えるはずがない」
「最近の合成音声って上手く出来てるなー」
「これたぶん、おれの兄貴の技術だ。こういうの研究してた」
「あ、あんたたちねえ…!」
「はいはい。話し進めようぜ。さて、そろそろ英雄戦だな」
「英雄戦かあ、今週はちょっと他の世界での用事があって、参加できないのが残念だ…」
「部隊長やってるのに他の世界の用事って、何があるのよ」
「あ、ダリア、それツッコまないほうがいいやつ」
「ああ、ベルゼブブのやつが蛇より蠅の方が可愛いっていうから、絶対蛇の方が可愛いし、こうなったらミス蛇蠅キューティコンテストをしようってことになって」
「べ、ベルゼ??」
「魔界の蠅の王だよ。蠅を愛してるって言うくせに蠅料理が大好物っていう変な奴なんだ」
「へ、へえ…」
「だからツッコむべきじゃねえって言っただろ」
「おれは愛する蛇を食べることなんてできない。蛇は仲間だ。(きゅー、とロイの腰元で音がして)ああ、ありがとうカトちゃん。たとえ餓死しても、君を食べるなんて、おれにはできないよ」
「で、英雄戦。噂じゃあ、今回は5カ国対決ってわけじゃないみたいだな」
「共同戦線になるって聞いたわ。どうやら、敵、がいるみたいね」
「昨日の敵と手を取り合って新たな敵を打ち砕く…!やばい。燃えるな。そんなときになんでおれは…い、いや、キューティ対決も負けるわけにはいかないから仕方ないんだけども…」
「他国の英雄さんたちに、恥さらさずにすんだんじゃね?」
「おまえならそうだろうな」
「はあ?」
「いつもと違うフェネクスも、各地で見かけられてるみたいだし。どうやら、色々とおもしろくなりそうね。たのしみだわ」
「あれな。焼き鳥食べ放題って楽しみにしてたのに、偽者?なのかな、焼いても鳥じゃなかった。悔しい。この悲しみは許してはならない」
「そこかよ。まーいいや、さて、リクエスト来てるから1曲流すぞ。EREKIで月光蝶~女の子編~」
愛娘マキへの愛を淡々と歌い上げる演歌。マキの名前が23箇所入っている。
紛れもなく演歌なのに、感情の一切を排除し歌い上げる男の歌声。
感情が排除された分、聞き手の心にストレートに染み入ってくる。
上手い。
「……」
「…あ、あれ、かける曲間違えたかな??」
「い、いや、あってるぜ。EREKIで月光蝶。うん、音源名もあってる」
「演歌??」
「ビジュアル系かなって思ったらまさかの演歌。マキちゃんの名前がこんだけ入ってるってことは、EREKIってエレキだろ。あいつ今どこいるんだっけ。最近見ねーけど」
「セフィドで見たぞ。元気そうだった。」
「元気ならいいんだけど。リクエストありがとうエレキ。マキちゃんは強く生きてください」
「えー、この番組では他にもリクエストをお待ちしてます。歌手名、曲名、曲エピソードを添えて赤雫☆激団までどーぞ」
「さて、次は…突撃…え、この企画まだ続けんの?」
「あたりまえだ。そのためにダリアを呼んだんだろ。次は、人気コーナー『突撃!ダンジョン肉』第2回目です!」
「…そのために呼ばれたの?」
「いやあ、試食者一人っていうのもさ。せっかくならみんなに食べてもらいたいし。前回の『呪いのどうかくに』も大人気でさ、あの放送のあと、みんなにも食べてもらったんだけど、みんな美味しいって」
「あんたの友人って化け物揃いだものね」
「その発言は自分に跳ね返るからやめたほうがいいぞ?」
「ってわけでえーっと、今日の食材?なんだっけ。まともなもので頼みたい。まともなもんなんてねえ気もするが」
「食材は、今回は提供してくれた人がいるんだ!ありがとうナスカ!今日の食材は、ホー」
「ちょっと待てちょっと待て!!」
「ん??」
「ナスカでホー…って嫌な予感しかしねえんだが」
「??何言ってるんだ。ナスカが、ダンジョン肉調理ならお手伝いしますって、よこしてくれたんだぞ」
「なあ、それってさ、ナスカのとこのお手伝いさんが、調理を手伝ってくれるって、ことだと思うんだけどさ、あそこのお手伝いさん、料理も凄腕って聞くし。で、おまえ、まさか…」
「お手伝いさん?ナスカがホーント1匹食材としてよこしてくれたんだが」
「やっぱりー!!!」
「ってわけで、今日の食材はホーントです!」
「お手伝いさーーん!!!」
「さすが英雄常連ナスカ!よこしてくれた肉も活きの良いホーントで!おれも調理のし甲斐があります!」
「うわああ」
「…そもそも、ホーントって食べられるの?というか、肉はあるのかしら…?いわゆるアンデッドでしょう?」
「まあまあ、見てなよ。今日はホーントの!『ホーント美味い焼きホーント』を作るぞ!」
「ホーントってことしか伝わらねえ」
「さて、今日の食材担当ホーントさん。身を少しもらっていいかな!」
「……」
「ホーントの身とは」
「食材に問いかけることじゃないわよね」
「え、部位?おれはハツが好きだけど…さすがに死んじゃう?じゃあ、セセリとモモで!」
「ホーントのモモ?」
「足があるなんて初耳ね」
「……」
「ありがとうホーントさん!あ、ホーントは心臓さえ取られなければ再生出来るから、いくらでも食べられるんだよ」
「(ゆらめく)」
「なんかあのホーント、さっきより少しやつれてるんだけど」
「だ、大丈夫か、無理するなよホーント」
「んーちょっと量少ないかな、今日はダリアもいるし。ホーントさん、肝と腕と、このへんの皮ももらえるかな」
「鬼か!」
「(透けつつ)」
「…帰ったほうがいいんじゃない?」
「(頷いて消える)」
「あ、ありがとう!これで充分だよ。帰っちゃったか。ホーントくんにも食べてもらいたかったんだけど」
「共喰いさせる気か」
「部位は揃ったから、調理するよ。ホーントは、そのまま焼いて塩かタレを掛けて食べるのが一番!でも、ちょっと工夫がいるんだ」
「なあ、そのホーントの腕動いてない?」
「まず、ホーントの肉のアク抜きをします。そのまま食べたらホーントになっちゃうからね。ホーント怖い。なんちゃって…」
「肉、なあ…(青く光る腕?を見ながら)」
「そもそもホーントって触れるの?」
「おまえ触ってみろよそれ」
「いやよ」
「ホーントの魔力と同じ周波数の魔力で中和すると、アクが抜けるよ。ぴったり同じ周波数にすることがコツ。こっちが強いと、ホーントが消えちゃうから、気をつけて」
「周波数?」
「いちいちツッコむと疲れるぞ。おれ串用意してくるわ」
「こうやって、ほら。周波数合わせてアク抜きすると実体化するんだ。これで誰でも触れるよ」
「紫の物体が…ぶよぶよしてるけれど、…肉?」
「ここから解体!モモと、手羽先と、せせりと、砂肝と、そのエンガワ。あと皮は…よし、ほら、ここのしゅわーって出てるホーントの瘴気。これを超高温魔力で一瞬で焼くと、こういう細い塊ができるんだ。これが皮」
「……」
「…あ、肝に良い瘴気がついてる。この銀色に光る瘴気は珍しいな。さすがナスカのホーントさんだ。銀皮。すごく美味いよこれ。わーやっぱりこんなに上質な肉ばかりだと、ハツも欲しくなるよね。ホーントさん、心臓取らせてくれないかなあ」
「……」
「ってそれじゃホーントさん死んじゃうよ!ホーント困った。なんちゃって」
「……」
「さて、これを串に刺します。串、まだかな。はやくしろよジャラヒ」
「私一人でツッコミは無理だったわ。早く帰って来なさいジャラヒ」
「あ?へい、串」
「遅いぞヤンキー」
「遅いわ」
「あー、ホーントが渡すの忘れてたって、これ。もらってきた。なんだ?一升瓶?」
「こ、これは!!ホーントの瘴気酒!!!すごいよこれ!!ホーントの瘴気を濃縮した、ホーントのホーントによるホーントのためのホーント秘蔵酒だよ!!わー、うれしいな」
「おれらはホーントではない」
「あとで礼を言わなきゃな、ホーントさんとナスカに!」
「アホか。我が身を食われて礼を言われるって、あのホーントの気持ちも考えてみろよ」
「アンパ●マンも、美味しく食べられて嬉しいって言ってたから、嬉しいんじゃないか?」
「そ、そっか。今度西川んとこのカレーパンに聞いてみよう」
「……」
「ってことで、串に刺して、あとは焼いたら完成!どうだ!美味しそうだろ!」
「美味しそう…?紫色のぶよぶよした塊…」
「なんかすっげえ香ばしい匂いはするな」
「ふっふっふ。炭火焼き。いいよな~。ちょっと桜チップも入れてみた。なかなか風流だろ。焼いていくから、出来たもんから食ってっていいぞ~」
「まあ、前回の呪いの銅貨よりはマシだな。いただくか…」
「マシなの?たしかに、匂いは…悪くないけれど…」
「まあまあ、食べてみなよ。はい、せせり。塩ふっといたよ」
「それ、うちの中で言わないほうがいいわよ。鳥たちが泣くわ。(*赤雫★激団ペットその3三女セセリ。趣味は筋トレ鳥)」
「いまさらだろそれ。あ、おれはモモでいいや。タレ?だっけ」
「酒もあるぞ。注ごうか」
「いや、いい。仕事中だしな」
「まあまあ、遠慮せず」
「いらんって。それホーント酒だろ」
「秘蔵の酒だぞ?」
「悪い予感しかしねえんだよ!って、勝手に注ぐな!やめろって、」
「ダリア、押さえてて」
「わかったわ」
「うえ!なにこれすげえ甘ええ!!」
「……」
「ん?ホーント?忘れ物か?また食われるぞ?危ないから帰ったほうがいいって。心臓まで食われるぞ。ナスカの命令をきくのもいいが、自分の身は自分で守れよ?まさか、おまえも食いたいの?」
「…ぽ///」
「?????え?あ?ホーント??な、なんだうああああ寄るなあああ」
「どうやら、ホーントが食いたいのはジャラヒだったみたいだな!」
「なななな、なんで急に!舐めるなああああ」
「…あの酒のせい?」
「ホーントのホーントによるホーントのための酒だからなあ。今のジャラヒはホーントよりもホーントにほんと近い」
「食われるううう」
「大丈夫だ、好かれてるんだよジャラヒ。よかったな」
「よくねえよ!」
「ってことでオチがついたので、今日はこのへんで!今夜もロイTonight。お相手は岸辺ロイ。と、ホーントに食われるほど愛される運命を背負ったジャラヒ・ワートン」
「てめえ覚えてろよ!!」
「…私、いた意味あったのかしら…。ダリアよ。えっと、来期は部隊長だから、よろしく」
「ってわけで、また次回!」
「だから!そこはだめだって!こら、ホーンt」
「…そもそも、ホーントって食べられるの?というか、肉はあるの?」
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