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ジャラリオ日常ひとこま

ジャラリオで「人が見てる時は恥ずかしくて」とかどうでしょう。
http://shindanmaker.com/531520





「ひ、ひ、人前でできるか!」

素っ頓狂な声が響き、ロイは顔を上げた。
おかげで何回素振りをしたかわからなくかった。
千回は越えていたのは確かだが、ぴったり5千振ろうと思っていたのに、これで少しのズレを許容しなければならない。
溜息をついて、イライラを声の主に向けようと口を開く。
開いて、それから出すはずの揶揄を、そのまま押し留めて、ため息に変える。

先程の叫び声の主は、案の定ジャラヒ・ワートン。
ロイの鍛錬の邪魔をしたのはやっぱり彼だ。
その金髪ヤンキーは現在、いつものスカした顔を耳まで真っ赤に染めている。
彼の目線の先には、我らがリーダーリオディーラ。
元気な彼女をジャラヒはとても大切にしていて、いつも彼女と共にいた。それはもう暑苦しいほどに。
以前はジャラヒももっと放任主義だったのだが、一時期とある事情で離れていたのもあって、リオが戻ってきてからというもの、彼は彼女から片時も離れようとはしない。
いい加減にしろと思うが、リオが何も気にしていないようなので、ロイも口出しはしていなかった。
言っても無駄なのもある。
顔色も変えずに、食べる時も寝る時も、風呂に入る時でさえリオに付いて行こうとする男だ。
さすがに風呂の中まではまだ未遂だが、時間の問題かもしれない。
いざとなったらロイも立ち上がるつもりだったが、リオが何も言わないのであれば、余計なお世話だろう。
それに彼らが恋人同士であるなら特に…とも思うが、そんな甘酸っぱい雰囲気など2人にはなかったし、一生彼女を幸せにするなどとぶっ飛んだ発言をしているジャラヒも、ロイから見ると今の所ただの世話好きのストーカーだ。
ジャラヒに彼女をどうこうしたいなどという欲も全く見えず、どちらかというと兄妹にしか見えない。
異常に近い距離感なのに、それが普通になっている二人に、もはや部隊内でそれをつっこむ人間もいなかった。
ロイだって、めんどくさい。だから、ただの日常の風景と割り切っているのだが。

今、そのジャラヒは、見たこともないような顔をしていた。耳まで真っ赤にして、口をあわあわさせたあと、恥ずかしがって頭を抱えている。対するリオはというと、きょとんと首を傾げていた。

「なんで?ジャラ。いつもしてるのにー」
「いつもは部屋の中だろ!外は明る過ぎる」

なんの話だ。
ちなみに場所は、家の裏庭。菜園と、幾つかの木が植えてあり、ロイはその木陰で鍛錬するのが日常だった。
ジャラヒは1日の決まった時間に何度か菜園の手入れをしているようで。今日はその手入れにリオを連れてきたのだろう。
そんな中、何があったのか真っ赤になって顔を押さえている。
リオはというと、その真っ赤なジャラヒの顔を平然と覗きこんで、彼が何をそんなに赤くなっているのかわからない様子だ。

「ジャラ、トマトみたいな顔してる」
「うるせえ」
「まっかっか」
「誰のせいだよ」
「かわいーいっ」

きゃははと笑うリオの頭を押さえつけて、ジャラヒは舌打ちひとつして頭を振った。

「とにかく、外では駄目だ。あとで、部屋でな」
「むー。今がよかったのに」
「いい子だから。な?あとでいくらでもしてやる」
「ほんと?」
「ああ、部屋で2人のときなら、いい」

やったあ、と笑顔になったリオを撫でて、緩やかにその手を、彼女の頬に添える。ジャラヒは、リオの赤い目を愛しそうに見て、柔らかな彼女の感触を楽しんでいるようだった。

「ごめんな、おまえが望むならほんとはいつだってやってやりたいんだが…誰にも見られたくないんだ」

抑えたその声は、哀しげですらあった。宝物に囁くように、懇願する男にを、リオは跳ね除けるようなことはしない。ぎゅっと彼の手を引いて、頭ひとつ分高い男をしゃがませる。
目線の高さを同じにさせて、今度はリオが、ジャラヒの頬に手を伸ばした。

「大丈夫だよ。ワタシがちゃんと見てあげる。ジャラは好きにやったら大丈夫。誰も見てないよ。ワタシだけが見てるから」

ん、と頷いて、恥ずかしげに顔を伏せた男は、数秒の後、ふうと息をついて立ち上がった。
行こうか、と彼女の手を取って、家の中に向かう。
菜園から続く勝手口が開いて、それから閉じる音がした。

一部始終をつい見届けてしまったロイは、深く深いため息をついた。

(なんであいつらは……いや、まあ、いいんだけども)

頭を左右に振って、素振りに戻る。
あと500回でも振ったら、今日は終わりにしよう。
家の中で、部屋に戻ったあいつらは、きっと2人でいつものをやっているんだろう。
ヒーローごっこ。
普段はリオがヒーローで、ジャラヒが怪人役なのだが、ジャラヒがお姫様役をやったところ、すごく上手く演じたらしく、リオはジャラヒをお姫様役にすることにはまっているらしい。ロイは怪人役にスカウトされたが、ジャラヒの必死の抗議で免れ、怪人役は無しになった。
恥ずかしがりながらもリオの要望に応えるジャラヒは、なんというか、本当に、なんというか…だなあと思う。

(勝手にやってろ)

このやりとりを毎日見ている方が疲弊するのだ。
取り合わないことにして、ロイは素振り後の鍛錬メニューを考えることに、頭を無理やり切り替えた。


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2016-08-11 : SS : コメント : 0 :
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