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エミリアちゃんとどじっこ組合と赤雫激団。

5期とかそのへんじゃないかなーな、どじっこ組合さいしょのはなし。


******



オーラム首都アティルトの一角の屋敷の中に、そのギルドはあった。
数多くあるギルドの中で、とりたてて目立つことのない、小さなギルドである。
そんな小さな末席ギルドが、何故こんな大きな屋敷を活動の母体としているかというと、ギルドマスター、通称理事長が貴族ゆえに、そのいくつかの屋敷のうちの一つを借りているからである。

そんな屋敷の中で、いつものように、そのギルド員たちは活動しているのだが。

「だ、だめですよロイ、そんな恰好…!」
「可愛いよエミリア。ほら、ここも…」
「や、だめです…!そんな、はしたない…っ」
「そんなこと言って。ほんとはこういうの、好きなんだろう?」
「や、やめてくださいロイ、私…!!」


「おまえら、なにやってんの?」

目の前の現状に、扉を開いたことを心底公開しながら、ジャラヒ・ワートンは半眼で呻いた。
その先にいるのは、ギルドマスター理事長エミリア嬢のあられもない姿。それと、それを強いているのは、ジャラヒの仲間である男、ロイの姿だった。

「ジャラヒ!」
「遅かったなジャラヒ。お前も加わる?」

涙目のエミリアと、笑顔のロイを、順に見る。
しっかり4秒見守って。

「ごゆっくりどうぞ」

ジャラヒはパタンと扉を閉――じようとして、失敗し、ロイと押し問答することになった。

「離せくそロイ!おれは帰る!」
「遠慮しなくていいぞジャラヒ。お前も仲間だろ」
「鳥肌立つわ!帰らせろ!」
「薄情もの!薄情もの!」
「全身タイツのおまえら二人見て、逃げ出さないヤツ誰もいねーよ!!」
「ジャラヒ、これには事情があるんです!あるんですよ!」
「そりゃあるだろーよ!事情もなくてこんなん着てるやついねーよ!だがおれは知りたくない!知りたくない!」

立ちふさがるロイと、すがりつくエミリアを振り払い切れず、それでもあきらめきれないジャラヒは、這いつくばって扉に向かう。
だが、その距離はいつのまにやらあまりにも遠く、手を伸ばしても届かないそのドアノブに、ジャラヒは歪む視界を感じながら、それでもあきらめず、血を吐く思いで手を伸ばし続けるしかなかった。

「ああ、あきらめない。おれは諦めねえぞ」
「往生際が悪いなあ」
「諦めてくださいジャラヒ。運命です」
「そんな運命みとめねーー」

全身タイツのギルド長とその補佐の男は非情だった。
抗うジャラヒの背中にちょこんと乗ったエミリアは、立ち上がってジャラヒを踏みつけた後、彼の手を取って微笑んだ。
淑女スマイル。
高貴な有無を言わせぬ微笑み。しかしタイツ。

「はい。これがジャラヒの衣装ですよ」
「やだーーーーー」

黄色いタイツスーツを顔に押し付けられ、ジャラヒは半分本気で涙を流すのだった。


「で」

あらためて。
と、屋敷のふかふかのソファに少し落ち着いた心地を取り戻したジャラヒは、テーブルを挟んだ向かい側の二人に説明を仰いだ。
緑色のタイツを脱いだエミリアと、青いタイツを脱いだロイは、ようやくいつもの格好だ。
品のいいワンピースを綺麗にさばいて座ったエミリアも、見慣れた落ち着いた姿。ソファの後ろに掛けてあるタイツスーツは見ないことにしようとジャラヒは目を伏せた。その隣に座っているロイは、全身タイツだろうといつもの恰好だろうと変わらずふてぶてしい顔をしているので、置物だと思っておく。

「…なんだったんだ今のは」
「ジャラヒ。どじっこ組合についてどう思います?」

凛とした表情で、エミリアは背筋を正して、ジャラヒにそう尋ねた。
おもわずつられてジャラヒも背筋を伸ばす。
だけど答えられることは一つだ。

「ふざけた名前だと思う」
「お前の『赤き涙』っていう恥ずかしい二つ名よりマシだと思うなおれ」
「黙れクソロイ」

横から入った茶々につい反応すると、エミリアがトンとテーブルを叩いた。軽く。
ほんの少しの音なのに、やけに響いて、いつのも喧嘩がぴたりと止まった、と、その隙に。
思わず止まったジャラヒたちを見て、エミリアは微笑んで、頷きながら先を続けた。

「私はいい名前だと思うのだけど…」
「おれもいい名前だと思うよ。ギルド員募集の広告見て、すぐにこれだ!って思ったし。なにかドジをしても、変に悔みすぎずに、みんなでフォローしようって志、おれはとってもいいと思う」
「お前はただおもしろがってただけじゃねーか。おれを巻き込みやがって…」

エミリアが作ったそのギルドに、面白がって勝手に登録したのがロイだ。
同じ部隊であるジャラヒたちも巻き込まれ、今に至る。
べつに、ギルドに文句があるわけではないが、立派な志とやらを押し出すロイが気に食わなくわない。

「…あー、まあいいけどよ。で、ギルドとさっきの奇行となんか関係あんの?」

どじっこ組合の思想は、ジャラヒだって反対しているわけではない。
正直言って、なかなか楽しんでもいる。
理事長のエミリアは、先ほどの奇行に目を瞑ると、ジャラヒだって感心するくらい責任感も強く、自身が貴族なのもあって、ノブレス・オブリージュの精神を持った立派な女性だ。これで年齢はジャラヒとあまり変わらないのだからジャラヒも舌を巻く。
真面目ではあるが、反面ちょっとしたユーモアも持っていて、しっかりしているのに抜けたところもあり、加えて、長く輝く髪に大きな瞳にバラ色の頬。整った容姿をしているエミリアの人気は、ジャラヒも耳にしている。
ジャラヒももちろん、彼女に惹かれるところもあるが、ただ、それでも、たまに見せる奇行は、ジャラヒにとって目を瞑りきれないものだった。

「もうちょっと、どじっこ組合の活動をしっかりしなければならないと、思ったんです。私たち、まだあまり活動もできてないですし。ほら、もう少し、組合員増えたらいいって、思いません?」
「その結果がさっきの全身タイツなら、おれちょっと今後の事考え直させてもらっていい?」

ギルドに久々に顔を出したら、尊敬の念を感じている理事長と見知った男が全身タイツで踊っていた。それを見てしまったギルドメンバーの気持ちも考えてほしい。
だが、ジャラヒの皮肉はエミリアに通じなかったようで。

「もちろんです!ジャラヒ!ジャラヒも、組合の今後について、一緒にしっかり考えましょう!さすがはジャラヒ。ただの可哀想なチンピラに見えて、実はしっかり!真面目だったんですね」
「やー、ジャラヒはすごいなあ」

中途半端な相槌を打っている男は放っておいて、ジャラヒはそっと空を見つめた。
どじっこ組合。
立派な志を持っているものの。
名前が悪いのかなんなのか、いまいちまだパッとしないギルドだ。
ギルドメンバーは、エミリアの指揮する部隊と、ロイが勝手に申し込んだ結果、ジャラヒたち部隊、それから新人部隊が1部隊。騙されて入ってきたのではないかと心配になるくらい、純真な新人は、エミリアのこの奇行を知らない。たぶん、知らない。知ったら彼らも出ていくのではないだろうか。何せ、活動をしっかりするためのあの衣装らしい。ジャラヒは黄色を渡されたが、新人は何色だろう。紫とかだったらどうしよう。可哀想だ。そんな目に新人を合わせてもいいのだろうか。よくない気がする。たぶんよくない。

(…よし)

たったひと部隊の後輩のために。
ジャラヒは大きく決意をした。

「エミリア、仲間を増やしたいなら、そういうのじゃないだろ、もっと他にあるだろ…」
「やっぱり…タイツはダメですか」
「ダメすぎる。ダメダメ!女の子がああいう格好、どうかとおれは思うぞ?」
「でも、エミリア用にいっぱいリボンついてただろ?可愛くないか?あれ」
「ロイは黙ってろ」

エミリアを説得するには――とジャラヒは考える。
ようするに、彼女はもう少し、ギルドを大きくしたい。
それにはジャラヒも賛成だ。
エミリアの考えは悪くないのだから、もっとこのギルドは流行っていい。
では、何がいけないのか。

「なぜもっと、仲間が入らないんでしょう…」

不安げにエミリアは呟いているが、そんな答え、一つしかない。

「やっぱり、胡散臭い陰険魔神を補佐にしてるからじゃないか?」
「やっぱり、頭悪そうな金髪チンピラがうろついてるからじゃないか?」
「はい、喧嘩はやめてくださいね。そこのカップ、二人が払える金額じゃないですよー」

声をそろえての馴染みの喧嘩は、もちろん一蹴し、エミリアは憂いを帯びた表情で続けた。

「何が悪いか、じゃないと思うんですよね。きっと、何かが足りないんです」
「んー、エミリアは頑張ってると思うぞ」
「いえ!足りないんですきっと。だからタイツで…いえ!やっぱり、ギルド全員セーラー服の方がいいのかしら…!」
「その全員におれも入れられてるなら、やっぱりおれ、ちょっとしばらく消えるわ」

冗談に聞こえないところが怖い。
後輩のために一肌脱ごうと思ったが、そろそろ撤退の準備を始めた方が正しいのかもしれない。

「ところでエミリア」

立ち上がる隙を狙っているジャラヒの斜め前で、逃げるなんて考えてもいないだろう男が声をあげた。
タイツをすんなり着て、セーラー服を着させられるかもしれないというのに動じないロイは、ジャラヒが思っているより大物なのかもしれない。
なんて頭によぎりつつ、ジャラヒも顔を上げる。

「なんのための衣装なんだ?これ」
「お前はあんだけノッておいて何にも知らねえとか、いっそその生き方すげえよな」

ロイの質問に、エミリアはきょとんと顔を向けた。

「…えっと、ギルドを盛り上げようと思いまして…」
「うん、盛り上がったとは思う」
「お前はな」
「うん、おれはね。でもエミリア、おれの勘違いなら悪いんだけど」

そう謝って。

「エミリアがやりたいこと、もっと先があるんじゃないかなって。そうだな…なんであの恰好だったんだい?」

今更そう聞いたロイに、ジャラヒもツッコミを入れかけたのだけど、耐える。
それを聞きたかったのはジャラヒだって同じだからだ。

「あの恰好…」
「黄色とか青とか緑とか、ユニフォームみたいな」
「ああ!それは、もちろん」

合点いったという顔で、エミリアは可愛らしく、どやっとうなずいて。

「ヒーロー力ですよ!」

ジャラヒたちが何処かで聞いたような言葉を、胸を張って言った。


『ヒーローりょく…』

不本意ながら、ロイと声と顔を合わせて呻いたのは、仕方がない。とジャラヒは思う。
だって、その言葉は、その言葉を聞いてしまったということは、ジャラヒだってロイだって、他人事ではない。ギルド仲間ということを置いても、それはもう、身近すぎるほど身近で、慣れすぎるほど慣れている言葉だ。

「そうです!先日、不思議な少女に出会ったんですよ。
元気いっぱいの女の子で、一緒にプリンを食べて、ついでにギルドに誘ったんですけど、その勧誘を聞いた彼女がですね」

先はもう、聞きたくない気もした。
聞かねばならないが、もうなんとなくわかった。

「『どじっこ組合!かっこいい!!合言葉はてへぺろなんて、すっごい!!ヒーローみたいだね!!!』って、そう言って、熱くヒーローについて語ってくれたんです3時間半」
「それは…」
「なんていうか…」

もう、エミリアの顔が正面から見えない。
俯いて謝ってしまいたくなる。
認めたら終わりだ。エミリアの空回ったやる気に振り回されてなるものかと思っていたが、ばっちりぴったりこれ以上ないくらい当事者で、逃れられないくらい他人事にはなりえない自分事。
そんな予感はふり払わなければならない。
だがしかし…認めたくはないが、もう9割9分9厘そういうことだとわかっている。
だってもう、そういうことだ。わかっている。
胃が痙攣する。
それでもどこかまだ否定の欠片を探してしまう。
が、そんなもの、どこにもあるはずもなく。

「最初は、この子どこか頭が可哀想な子なのかな…と思ったんですが、私の語るどじっこの論理を聞きながら、熱心にヒーロー論を楽しげに語る姿に、こう、だんだん、…3時間も聞いたところで、ああ、そーいうものなのかなと。楽しそうだしなんかもういいかなって。段々感銘を受けてきまして…」
「洗脳だ…」
「怖い…」

エミリアが素直なのか、恐ろしいヒーローの洗脳なのか、議論の余地はあるだろうが、だんだん示されていく、エミリアに何かを吹き込んだ正体。
それはもう、もちろん…

「それで、彼女は…えっと、うん。やっぱいい。それで、どうなったの?どうして結局あんな恰好…」

それに、勇気をもって踏み込んだのはロイだ。
踏み込んで、何かを思って話題を少しずらしたが、ジャラヒはもう石のように固まるしかできないので、口を開いた分、ロイの方が偉い。

「ギルドに必要なのは団結力!そして、広がるどじっこの輪!それってまさしくヒーロー力!!ヒーローの力で、ギルドメンバーも増えてうはうは!!やっぱり正義!!!ヒーローすごい!!と言われて、それなら!と相談したところ、ヒーローはタイツかセーラー服だと彼女に教わりまして……あれ??」

そこまで言って、エミリアも気が付いたようだった。
神妙な顔でごくりと唾を飲んで。

「もしかして…」

ちょっと泣きそうな顔で、それを言った。

「よく考えたら、ヒーローとどじっこ、関係ない???」

「ごめんエミリア。ほんとごめん」
「私、なんであんな恥ずかしい恰好を…」
「すまんエミリア。おれ、ああは言ったけど、結構あれ似合ってたと思うし!うん!」
「全身タイツ…なぜ私が…そもそもなんで、メンバーを増やすのにコスプレなんて…あれ…??」
「よく気づいた!エミリア!偉いよエミリア!さすがだよ!!」

先ほどまでの自分の恰好を思い出して、我に返ったエミリアは、絶望をもってソファに倒れ掛かる。
ジャラヒも、彼女を責める気にはもうなれなかった。
ロイだってそうだ。調子に乗ってた楽しんだものの、原因がアレだと察すると、もう少し彼女に早く何か言ってあげたらよかったかもしれないと、心から悔やむ。
友人に、要らない傷を作ってしまった。

(いや、あいつに悪気はないんだけどな!)

あいつ。

犯人がわかってしまったら、もうジャラヒは被害者でもなんでもなかった。
ヒーローオタクの正義の少女。
三時間も延々と洗脳を続ける彼女と来たら、もう一人しかいない。

「…すみません、取り乱してしまうところでした…それにしてもジャラヒもロイも、どうしてそんな急に…」
「いや!なんでもねえ!なんでもねえよ!」
「気にしないでエミリア。それより、ちゃんと考えよう!メンバー増やす方法!」
「そうですね。うーん、おかしな子でしたが、あの正義中毒の洗脳少女、入ってくれたらいいんですけど…」

すでにその子はもうギルドメンバーである。
と、口元まで出かかったのを、ジャラヒは抑えた。
どうせすぐにばれるだろうが、しばし避けたい。

ああ、エミリアが逢った少女は、間違いない。
放浪の遊び人、正義のヒーロー、きらめき☆ときめきレインボーRIO。
リオディーラ。
ジャラヒとロイの部隊、赤雫☆激団のリーダーである。
遠征もサボって正義活動という名の遊びにいつも出ているので、不在にしていることも多く、公の傭兵の仕事は、ロイとジャラヒが全部やっているため、彼女がリーダーだということは知られていない。
ジャラヒもロイも、敢えてそれを言うことはなかった。
だって、方々のトラブルが、全部赤雫☆激団のリーダーの仕業だなんてバレたら、とんでもないしお金もないし責任も取りたくない。
リオが起こしたらしいトラブル話を耳にして、冷や汗をかきながら知らないふりをするのが、もうジャラヒもロイも日課になっている。
赤雫☆激団のリーダーなので、必然的に、彼女もロイが勝手に入ったこのどじっこ組合のメンバーに他ならないのだが、できればそっとしておきたかった。

「いやいや!エミリア。そんな目にあっておきながら、仲間にしたいという懐のデカさに驚くけど、それはおれはおすすめしない!な!」
「…すでに遅いけど、少しでもトラブルは後回しにしたいという気持ち、悔しいがよくわかるよジャラヒ…」


そんな切実な思いほど、いとも簡単に敗れ去るということも、よくわかっている。

だから


「あっそびに来たよ~!エミリアちゃーーん!!それにジャラにロイくん!やっほーー!!」
「あああああ…」
「……」

うめくジャラヒと空を見上げるロイ。
この展開は読めていたはずなのに、感じるのはやはり絶望にも似ていた。
その様子を見て、きょとんとしたエミリアは、しばし不思議そうにしていたが、すぐさま続いて扉を開けた少女の顔を見て、ぽんと手を打った。

「あなたは…!」
「正義のヒーローきらめき☆ときめきレインボーRIO!またの名をリオディーラです!よろしくね!」
「ご丁寧にどうも…エミリア・マルグレーテ・エルネスティーナ・フォン・ヴィルデンフェルスです。どうぞよろしく」
「長い!つおい!さすがだねエミりん!つよそう!どじっこヒーロー!!」
「すまんエミリア。諦めて仲良くしてやってください」
「???」

先ほどから謝るばかりのジャラヒたちに、エミリアの方は困惑するしかない。
どうやら、彼女はジャラヒやロイの近い知り合いらしい、と察したものの、彼らがなぜしきりに謝るかは、ちっともわからなかった。

「そんなに謝らなくても。お友達だったんですね?」
「すまん、悪い。条件反射。お友達というか…」

ごにょごにょと口の中で何かを言っているジャラヒの言葉を継いで、ロイが「保護者」と付け加えた。
ようやく、エミリアもなんとなく納得する。
条件反射で謝る。病気みたいなものなんだろう。仕方がない。仕方がないのだ。

と、そこでエミリアは、彼らについての思考をやめた。
リオの後ろから、ちょこんと金髪が…見知った少女の顔が見えたからだ。

「エミリアちゃん!お友達連れてきたの!正義の仲間だよ!」
「せ、正義はわからないけど…案内ありがとうリオちゃん。えっと、エミリアちゃん、遅くなってごめんね」

よいしょ、と現われたのは、エミリアも知っている少女だった。
年のころはエミリアと同じくらいか少し下。
明るくて、優しくて、大切なお友達の一人。

「お、エアロじゃん。リオの相手さんきゅー」
「あ、ジャラヒくんにロイくんも!なんだ、みんないるなら、もっと早く来ればよかったなあ」

ほっと胸を撫で下ろした様子で、金髪の少女、エアロはふう、と息をついた。

「あのね!遅くなったけど!私も、どじっこ組合、入れてもらおうかと思って!」

ほら、前にちょっとさそってくれたでしょ?あのとき、ちょっと色々あってすぐには答えられなかったけど、やっぱりエミリアちゃんと一緒にやりたいなって。ごめんね急に…!

早口でそう言って、それからエミリアの顔を窺って。だめかな、と首を揺らすエアロ。
駄目かな、なんて。そんなこと、言うまでもなかった。
だから、エミリアは、言葉より先に、エアロの手をぎゅっと握って。
それでも足りなかったから、エアロの肩に手をまわして、ぎゅっと抱き着いた。

「わ!」
「待ってましたよエアロちゃん!大丈夫です!これで、てへぺろの輪、広げられます!!」
「わーい!ワタシも!ワタシも~!」


きゃっきゃと戯れる女の子たち。
それをぽかんと見つめるしかないジャラヒとロイは、しばらく呆然としていたが、事態を把握してソファに突っ伏した。
どうやら、女同士の友情パワーが、どじっこ組合を救ったらしい。
何が救われたのかはよくわからないが、エミリアも嬉しそうなので、よかったのだろう。

「とりあえず…あの恰好をしなくても話はまとまった、ってことか?」
「残念だな。お前タイツ似合いそうなのに」
「お前ほどじゃねえよ」



かくして。
どじっこ組合は一歩ずつその輪を広げ、いつしかオーラムの顔役ギルドのひとつとしても名が上がるぐらい、大規模で、よりすぐりの傭兵を抱えるギルドにもなるのだが…。
それはまた、別の話。



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