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頂き物【ジャラヒ・ワートンと謎のプリンス】by幽しの剣様

幽しの剣さんからSSをいただきました!
出演は、「幽しの剣」のルゥチェさんと、「通行集団」のユーリさん。と、赤雫のジャラヒです。



【ジャラヒ・ワートンと謎のプリンス】

身体は疲れ切っているのに眠れない。
そういう時はつまらない事を考え出して憂うつになるものだ。

だから――オーラム共和王国の傭兵部隊赤雫激団の一員――ジャラヒ・ワートンはいっそ眠らないことに決めて、粗末なベッドから身体を起こした。



昨日はまったく長い一日だった。



周期を記憶する者の間で“13期”と記録される今回の“巡り”―――王都アティルトの地下にある《黄昏の聖域》の謎の拡大現象により、戦場は広大な地下遺跡群へと広がった。

ジャラヒが他の幾つかの部隊と共に駐留していた地下闘技場跡を巡り、イズレーン皇国軍と激しい戦闘になったのが正午前。一旦撤退して負傷者を後退させ、部隊を再編し闘技場跡を奪還したのが日没後であった。

増援と交替して駐留を任せ、ようやく地上に戻ってきたジャラヒは日付の変わった深夜、軍が臨時に借り上げた安宿の小汚いベッドに身体を投げ出したのである。




そしてその数時間後――窓際にある机からしばらく窓の外を眺めることにした金髪の青年は、音を立てないよう静かに椅子を引いた。

階下では同じ部隊に編入された戦士のユーリと女剣士のルゥチェが疲れ切って寝ているはずだ。起こしては悪い。元いた世界で昔ギャングだったというとマナーとは無縁と思われがちだが、実はジャラヒは細かいところに気が回るほうだ。彼自身は、半分は乳母の躾けのおかげで、半分は自分の生来の気質だと思っている――犬猿の仲の赤雫激団の同僚ロイは忌々しくも後者を否定するだろうが!

そういえばそのロイ青年も昨日の戦闘で重傷を負って王都へ送還されたのであった。

まーあいつのことだから死にはしねーし、怪我人として周囲から優しくされるのが腹立たしい。
そんな事を考えて、ふ、と笑う。
なんだか嫌いな男のことばかり考えているじゃないか。
(紙とペンでもあれば、落書きでもして時間つぶせるんだけどな)
そう考えて無意識に机の引き出しを開けようとしたジャラヒはようやく“異変”に気がついた。

僅かに“しゅうしゅう”と湯でも沸かす時のような音が引き出しの中から聞えてくる。
心なしか引き出しそのものも熱をもっているようだ。

(な、なんだ?)

恐る恐る引き出しを開けようとしたジャラヒは突然手前に伸びてきた引き出しに強く突き飛ばされて吹っ飛び、椅子ごと後ろ向きに転倒した。

「うお!なんだよ、いっ・・・」

ジャラヒは言葉を続けられなかった。

引き出しの中から褐色の肌の筋骨隆々の男が裸の上半身を現したのだ!


「う  お  あ  あ  あ  あ  あ  あ  あ !!!」

この不幸な青年は叫びながら扉まで這って行き、ドアノブを回して退路を確保すると、ようやく後ろを振り返った。男はまるで湯船から上がるかのごとく引き出しの縁に足をかけて机の前に降り立ったところである。何も身に着けていないのは上半身だけではない。全裸だ。見事なまでに。


「な、なんですか・・・夜中ですよ、騒々しい・・・」いかにも寝起きという寝癖だらけで半目のルゥチェが扉の隙間から部屋の中を覗き込んだ。「・・・・・ん」

少女の視線は部屋の中央で全裸のまま仁王立ちする男に真っ直ぐに注がれる。上から下に動いた視線はもう一度上に上がって身体の真ん中より少し下の一点でしばし止まった。それから腰をぬかさんばかりにドアノブに縋りついたままのジャラヒを見、顔を引っ込めて静かに扉を閉めようとしたところで、ルゥチェは慌てたジャラヒに腕を掴まれた。
「おい!なにスルーしようとしてんだ、おまえ」
「だ、大丈夫ですよ・・・誰にも言いませんから・・・わ、私だって小さな子どもじゃ、ないんで。どうぞ楽し「いや、違えよ!なに考えてるか言わなくてもわかるけど、それは違えから!」

「大丈夫ですって・・・ただちょっと」

「びっくりした」

「だけです」

「ま、待て。とにかく説明させろ。俺もよくわかってねえけど、わかってる事だけ説明させろ」ここで逃げられては後々色々困りそうなジャラヒが、ルゥチェの腕を掴んで部屋に引っ張り込もうとしているところで、廊下がみし、と軋む音がした。
音の方に反射的に目がいくと、廊下の先に少し困ったように赤面したユーリが立っていた。完全に「見てはいけない場面に出くわしてしまった」という顔だ。彼もまた騒ぎを聞いて様子を見に来たところであった。


「す、すみません!」踵を返そうとするユーリに、ジャラヒがまた慌てて声をかける。「おい、おまえもかよ!違えよ!待て、とにかくおまえも部屋に入れ。説明できるところだけ説明させろ、頼むから!お願いだから!」

*****


ジャラヒが口早に説明を終えると、並んで体育座りして聞いていた二人はとりあえずは納得したような顔をした。
「・・・ユーリ、おまえもおまえだ。だいたいこんな女、俺が部屋に連れ込むわけねーだろ」
ジャラヒが忌々しそうに隣に座ったルゥチェを見ると、女剣士も「ま、まあ、私はようじょ、じゃありませんからね・・・」と反撃する。
「消し炭にするぞ、おまえ・・・」さすがにルゥチェはダリア――赤雫激団の同僚でありながら、一度はジャラヒの命を狙ったこともある暗殺者の少女――の友人である。相性が悪い。
「ジャラヒさん、それより、この人ですよ」
ユーリに言われて思い出した。そうだ。この全裸男だ。人の部屋にいきなり現われ――しかも全裸で――今も自分の身体を見詰めながら難しい顔で突っ立っている。何を考えてても構わねえが、そんな事は他所でやってくれ、とジャラヒは思った。

「おい、あんた」
ジャラヒが声を掛けると、たっぷり3秒は置いてから男はゆっくりと顔を向けた。
「あんた誰だ?なんでそんなとこから出てきた?きちんと説明してくれ。・・・いや待て、説明は後でいい。その前に服を着ろ、隠せ、とりあえず」

そうは言ったものの、全裸で現われたのだから男が服など持っているはずがない。荷物に着替えはあるが、どちらかといえば細身な自分の服が合うとは思えなかった。ジャラヒがそう考えた時、男はようやく口を開いた。



「余は第129614525662798層地獄の王が第2子バミルである」



今度は3人の息が合った。
「・・・はあ!?」

「ここはブリアティルトであろう?やはりかの門により力を制御される、という噂は本当だったのだな」

地獄の王子?
この世界に流れ着いた者の中には神やら半神やらいなくもないが、目の前で名乗られるとやはり突拍子もない話である。
「ほ、ほんもの、ですかね・・・」
見た目は人間と同じに見える。それらしい蝙蝠のような翼やら角やら牙やらは何もなかった。
「わからねーな。とりあえず頭に角は・・」
耳打ちしてきたルゥチェに小声で答えたジャラヒは危ないところで言葉を飲み込んだ。
ユーリの前だ。取り返しのつかない事を言うところだった。



「あ   く          ま   」



ユーリが小さく呟いた。
彼は羊角族だ。幼い頃、その角ゆえに心ない者から時に刃のような言葉を浴びせられてきた。
怯え、恐れを目に浮かべたものたちが通り過ぎざまに囁くのが聞こえる。
――悪魔――と。


「な・・・・なにしにブリアティルトに来たんです!?まさかこの世界を征服しようとか人間を滅ぼそうとかいうつもりですか!?」ユーリが気色ばんでバミルに詰め寄る。それでも敬語を使ってしまうあたりが彼らしい、と場違いにもジャラヒは思った。
「神も人も自分の都合のいいように我らを語る。地獄とて輪廻の輪の一部に過ぎぬ。応報はその基礎ぞ。魂が地獄で責めを受けるのは、おまえ達の言葉を借りるなら自業自得というものだ」

バミルが窓のカーテンに向かって手をかざすと、それは引き千切れて彼の身体に巻きつき、一瞬で黒の礼装へと変わった。
「ブリアティルトには見聞を広めに来た。褒美はとらせる。案内せよ」


*****


(どうしてこうなった)
市場を興味深げに歩く“地獄の王子”の後に続きながら、ジャラヒは額に手をやった。
(生まれ変わったら魔神とか悪魔とかと関わらない一生を送りたい)



バミルの言によれば、彼の国――というか地獄――では父王が定めた世継ぎ以外は自ら新しい地獄を創らなくてはならない。その為に人間を深く理解したい――という事らしい。
情報収集に配下をブリアティルトに送ったものの、さっぱり戻ってこないので、“黄金の門の歪みが大きくなった――つまり入りやすくなった”この機会に自ら視察に赴いた・・・・・そうだ。

軍からは宿にて待機の命令を受けている最中だから本来ならツアコンの真似事などしている場合ではないのだが、あの人を監視します!と息巻くユーリを一人にするのは危険に思えた。面白がったルゥチェが私も付いて行く、と行ったものの、たぶんこいつは頼りにならない。
―――自分の目の届かぬところで大切な人間が消えるのは、もう沢山だ、とジャラヒは思う―――(仕方ねーか。ユーリになんかあったら寝覚めがわりいし)


夜明けを待ってアティルト散策に繰り出したこの珍妙な一行は、とりあえず名所旧跡を練り歩いたものの、地獄の王子は全く興味を示さない。関心無さそうにされると、適当でいいと思っていたのに悔しいもので、なんとか面白そうな顔させてやろう、という気分になってくる。
「き、きっと人がいるところが、いい、んじゃないですかね・・・人間を理解したいって言ってたし・・・」
「でも、人ごみに連れていくのは危険じゃないですか?」
「まーいきなり暴れたりはしねーんじゃねえかな」
「わ、悪そうな場所が嬉しいんじゃ、ないですか・・・?悪い感情を体内のデビル袋に吸収するんですよ、きっと」
どこまで適当なんだこいつ、と思ったがルゥチェが言うことにも一理あるような気がしてきた。そこで午後から賭場や私娼街、貧民街に行ってみると確かにそれまでとは表情が違う。人間の感情が渦巻くようなところがいいのかもしれない。もっとも万一に備えて3人は武装していたから恐ろしく悪目立ちし、絡んでくるチンピラを巧くあしらう役を任された――というか生真面目なユーリや変人のルゥチェには無理なのだ――ジャラヒはいい加減疲れ果てていた。「・・・・おい、悪いとこはもういいだろ、市場とか行こうぜ・・・」

うんざりした顔のジャラヒと表情のないバミルが並んで歩く、その後ろ。

「・・・ん、・・・リさん、・・・ユーリさん」
「え、ああ。ルゥチェさん・・すいません。考え事してて」
南門近くの市場を目指す道すがら、隣を歩く女剣士に声を掛けられ、角持つ青年はハッとした顔をした。
「そんなに恐い顔しなくても、あの人は悪い悪魔じゃ、な、なさそうだよ・・・」
「・・・・俺、そんな顔してましたか」
「し、してた」
「ルゥチェさんは・・・平気なんですか、あの人は悪魔なんですよ。今まで何ともなくたっていつ本性を現すか」
「そしたら、そん時やっつければいいんじゃない?わ、私はべつに正義の味方でも光の使徒でもないからねえ・・・・」
ユーリだって本当は分かっているのだ。“彼ら”を敵視するのは筋違い・・・言ってみれば逆恨みだ――幼い自分を傷つけたのは悪魔じゃない。悪魔を恐れただけの“普通の人間”なのだから。

だがもし悪魔というものが存在しなかったなら。

俺は――――今の俺になっていたんだろうか?


*****


「ジャラヒ、あれは何だ」
市場を見終えた一行が次に噴水前広場へ向かう途中、人家や商店が途切れ、空き地がやや目立つ辺りでバミルは足を止めた。
ん、と地獄の王子が指差したほうに目を向けると空き地にカラフルなテントが立ち並び、人だかりができていた。
「あれは、サーカスだな」
「・・・サーカス」
「見世物小屋だ。動物や道具を使った芸を見せるんだ」
「ゲイっていうのは・・・・」
「ルゥチェ、おまえは黙ってろ」

興味が湧かないのか、ぷいと顔を背けて再び歩き出したバミルだが、数歩歩いたところで何かに気付いたように急に立ち止まった。

「・・・やはり、サーカスとやら、見ておくとしよう」

テントを潜ると既に芸は始まっており、4人は入り口近くに適当に腰を下ろした。

ピエロの軟体芸、ジャグラーの玉乗りジャグリング、トランポリンを使った曲芸と続き、大男が口輪をつけた熊と格闘を始めたところで、バミルが急に明後日の方向に目を向けた。

「どうした?」ジャラヒが視線の先を追う。


風船だ。

出口を潜り、ふわりと外へ飛んでいく。


ひとりの小さな男の子がそれに気付き、テントから飛び出した。
男と熊のレスリングに釘付けの父親は手を離した息子に気付きもしない。
外に出た男の子はさらに風船を追いかけ走る――まるで何かに魅入られたように。

風船は手繰りよせられるかのように、一番奥のテントの前に佇むピエロの手に納まった。

男の子がピエロの前で立ち止まると、ピエロは風船を彼にゆっくりと差し出し―――


「シャァァッ」
獣のような唸り声を上げながら、赤黒い牙を剥き出しにした!


「ッ、アトム」
子どもの首に伸ばした腕が青い魔弾に弾かれ、ピエロが痛みと衝撃で数歩後退する。
「おいなんだよ、ぼっちゃんよりも悪魔っぽいのがいるじゃねーか」
駆けつけたジャラヒが僅かに息を弾ませながら言った。
さらにその横を鋭く踏み込んだルゥチェが抜打ちで胴を横に薙ごうとしたが、ピエロは人間離れした跳躍で飛び退いてみせる。

けけッ。
道化師の瞳が濁った黄色に輝く。
魔力を感じる能力など無くても本能で分かる。


――こいつは“魔”だ。人間じゃない――


ユーリは固まっている男の子を抱き上げると、急転換してジャラヒの数歩後ろまで怪人から距離をとった。腕の中の小さな少年は、憑き物が落ちたようにすっかり怯えており、今にも泣き出しそうな顔をしている。
そうだ――俺はこんな顔をしていた――周囲に怯えて。
「ぼく、名前言えるかい」
「え、エド・・」
「ようし、エド。泣くのはもうちょっと我慢して。あそこにテントがあるね。そこでお父さんが待ってる。そこまで後ろを振り返らずに走るんだ。できるね?」
ぶるぶると男の子は首を横に振り、ユーリにぎゅっとしがみついた。怯えきっている。
「エド、これは君にしかできない。ここは危ない。お父さんに知らせてみんなでここから逃げるんだ。君はお父さんを助けたいだろ?」
少しだけ考えて男の子は頷いた。
「よし、行くんだ。エド!」
ユーリに背中を押された小さな勇者が一目散に駆けて行った。
(今の俺は違う、あの頃とは。あの時泣いたから――今の俺は誰かが泣かないように戦える)
きっ、とピエロに向き直ったユーリが砲槍を突きつけながら叫ぶ。
「何者だ、あなた」

撃たれた腕をさすりながら、ピエロは不敵に口の端を吊り上げた。
「芸を見ても催眠にかからんとは・・・・驚いたな」
ピエロの隣にどこからともなくジャグラーや大男たちが現われた。芸をしていた4人全員が共犯というわけだ。


「くく、邪魔するなら貴様らの魂もい「おまえ達、余の命を放り出し、こんなところで何をしておった」


背後からのいきなりの声に、驚いたピエロたちは飛び退いて身構えた。いつの間にかバミルが怪人たちの背後に立っていた。
「いつの間に!なんだ貴様!?」
「余の顔、見忘れたか」
「なにぃ、余、だと?」
記憶の糸を手繰るように目を細めたピエロの顔がハッとしてから大きく歪んだ。
「で、殿下・・・!」
「輪廻の外で勝手に魂を収集し、私物化しておったな!」
バミルの喝に一瞬ひるんだピエロだったが、すぐに覚悟を決めたようである。見られた以上やる事はひとつしかない。
「で・・・殿下がこのようなところに来られるはずがない。構わん、やれッ」

ピエロたちの身体がみるみる膨張する。衣装が裂け、変身を解いて地獄の住人の本来の姿を現した。

ピエロは――燃え盛る炎を纏う巨大な車輪に――
大男は――岩塊の巨人に――
ジャグラーは――鎖を全身に巻きつけた黒き人形(ひとがた)に――
トランポリン使いは――鉤爪を持った猿のような獣人に――



近くで悲鳴が上がった。
催眠が解けた見物客たちがテントから出てきて、異形の魔物の姿に気付き、恐慌をきたして逃げ始めたのだ。エド少年もあの中にいるはずだ。
バミルに付き合って戦う義理はないが、せめて彼らが逃げる時間は稼がねばならない。



「くるぞ」バミルが色のない声で告げると、それが戦闘開始の合図となった。


鎖の悪魔が展開した数十本もの鎖で視界がいきなり黒に染まる。
「ルゥチェさん、俺の後ろに!」漆黒の鎖は無数の軌道を描いて、最も近くにいたルゥチェと彼女をかばったユーリをその渦に飲みこんだ。

危うく飛び退いてかわしたジャラヒには猿面の獣人と燃える巨大な車輪が向かってきた。
バミルは岩の巨人と対峙している。

傭兵たちとバミルは――三手に分断された。

「おかしいだろおまえら!なんでぼっちゃんに1人で俺に2人なんだよ」
ジャラヒはそう叫んでみたものの、既に互いの距離は離れてしまっている。加勢は期待できなさそうだ。何とかどちらかだけでも倒しておきたいが、ジャラヒはすぐにそれが簡単でないことに気付いた。まず車輪のほうは炎を纏っていていかにも火に――こちらの攻撃も火なのだ――強そうだ。おまけに猿のほうは動きが変則的で狙いがつけにくい。
(・・やべーな、これ。死ぬかも)




(・・このまま打たれ続けるとまずい)
ユーリは槍で捌ききれなかった無数の鎖の鞭を全身に受けていたが、彼の白き鎧はダメージを最小限に止めていた。とはいえ高密度の鎖の攻撃は――黒っぽい木乃伊のような――貧弱な本体の防御を兼ねており、反撃に転じる隙がない。
「ルゥチェ、さ、ん・・・なんとか、なりませんか」

ユーリが後ろで頭を抱えて丸まっているルゥチェに声を掛けると、女剣士はようやく顔を上げて彼の顔を見た。
「よ、よし・・・作戦考えたよ・・・いくよ!」
「え、ちょっ・・・せつめ「次元跳躍!」

幽刃剣士の転送能力は、鎖の悪魔を上空に吹っ飛ばした。
落下の衝撃で倒すつもりなのか―――だが今度は全ての鎖が高跳び棒のように地面に突き刺さり――その衝撃を吸収してしまう。

「今だ!次元跳躍」
すぐさま、ルゥチェは2度目の転送を発動した。
今度は飛んだのが――ユーリ――だ!

一瞬思考が停止しそうになったユーリだが、飛ばされた自分の遥か足下に“鎖を全て支えに使って無防備な悪魔の背中”が見える。青年は女剣士の意図を瞬時に理解した。
「おおお!」
全体重を預けながら逆手に持ち替えた槍を痩せこけた黒い背中に叩き込むと、奇怪な叫び声を上げて悪魔はぼろぼろと乾いた砂のように崩れ落ちた。
「き・・決まった流星ユーリ作戦・・・」
呟くルゥチェの前にどさりとユーリが落ちてくる。
「作戦には着地を含んで下さいよぉ・・・」



「どうした、金髪の小僧!逃げるだけか?ヘタレか貴様!?ヘタレヤンキーか!?」
どこかで聞いたようなムカつく罵声を浴びせられてもジャラヒは敵の波状攻撃を避けるだけで精一杯であった。撃ち返す余裕がない。
元々向き合ったところからヨーイドンで一騎打ちするタイプではないのだ。
身体を捻って猿の攻撃をかわしたものの、弾みで思わず尻餅をついてしまう。
そこへ燃え盛る地獄の車輪が迫った。
――――――が


「アトム」
ジャラヒは小さく術発動のキーワードを呟いた。
吹き飛んだのは地面。
攻撃をかわしながらこっそり仕込んでいた地雷代わりの大量の魔弾が爆ぜて地面を混ぜ返し、車輪を凹凸にとられた悪魔は、ジャラヒから逸れて無人のテントに突っ込み幕に絡まった。
「キィッ・・!」
猿面の悪魔が焦ったような声を上げる。
車輪と交互にジャラヒを攻撃していた猿面だが、いきなり1対1になったからといって急に止まる事はできなかった。
「アトム」
魔力で誘導された4発の青い炎弾がついに獣人を捉え、燃え上がった悪魔は地面に落ちて砂粒のように砕けた。
(来るタイミングが分かってればカウンターくらいできるんだよな)




ユーリたちが勝ち、ジャラヒも一体を斃すと、まるでそれを待っていたかのようにバミルが攻勢に出た。それまではあしらうように巨人の拳打を受け流していたが、彼がすっと手をかざすと巨大な岩の拳がぴたりと止まる。
「おのれぇ!」
絡みついた天幕を燃やしてテントから飛び出した車輪の悪魔がジャラヒを無視してバミルに襲いかかったが、地獄の王子が反対の手をかざすとやはり金縛りにあったように動けなくなってしまう。
「成敗」
バミルが両手を交差するように振ると、巨人と車輪は浮かび上がり空中で――悲鳴を上げながら――激突して爆散した。
「す、凄い・・・」よろよろと近づいてきたユーリが息を飲んだ。「私ら、べつにいらなかったですね・・・」ルゥチェも呆けたように呟く。



辺りに静寂が戻るとバミルはふっと何かを追うように空を見上げた。
沈みゆく太陽を背にしたその姿は少しばかり神々しく映る。

飛んでいく魂でも追っているのかな―――とジャラヒは思った。

*****


「・・・どうする、観光続けるのか」
服の埃を払いながらジャラヒが言うと、バミルは金髪の青年の方を見ずに首を横に振った。
「もう少し滞在したかったが、生憎愚かものどものした事の始末をつけに帰らねばならなくなった。奴らが集めていた魂は我が名にかけて元の身体に戻しておこう」
地獄の王子が腕を一振りすると、一瞬視界が暗転し、次の瞬間には全員がジャラヒが泊まっていた宿の部屋に移動していた。
「すげーな、さすがなんでもできるな、王子さまは」とジャラヒが呆れたように呟く。

バミルはジャラヒたちをぐるりと見回すと「世話になったな、約束どおり褒美をとらせよう」と厳かに言った。
3人は顔を見合わせた。
「金や宝物は望まぬのだろう。申せ。記憶を変える、想い人に会う、なんでもよいのだぞ」
“記憶”はユーリに、“想い人”はジャラヒとルゥチェに向けられた言葉である。
あの・・・とユーリが躊躇いがちに小さく手を挙げた。
「俺はなにもいりません・・・・もしどこかだけ都合よく変えたらそれはもう俺じゃなくなってしまう気がするんです・・・それに俺はずっとあなたの事疑ってたし、何も受け取る資格がありません」
そう言うと、ユーリはばつが悪そうに苦笑した。
次になんか偉そうに腕組みしたルゥチェが、私はァと口を開く。
「明日1日、ロウハルト元帥の語尾を“にゃ”に変えてほしい」
「ルゥチェやめろ。マジやめろ」
「えー!・・じゃあべつにいいや褒美とか。急には他に面白そうな事思いつかないし」
「・・いやべつに面白くなくていいんだけどな」
「ほう、おまえは両親の顔を知らんのだろう。会わせてやる事もできるのだぞ」
「ん・・・お、お父さんお母さんには会ってみたいけど、自然でいい。会えたら会えた、会えなかったら会えなかったで。・・・・だからべつにいい」
バミルは納得したようなしなかったような表情を浮かべ、最後にジャラヒを見た。

「おまえはどうする」

ジャラヒは唾をごくりと飲み込んだ。
彼が捜し求める少女――また、会いたい――リオディーラに。

でも――
思わず、ふっと笑う。

「俺も止めておく、魔神とか悪魔とは相性が悪くてな。まー貸しにしとくから俺が地獄に落ちたら減刑してくれよ」


3人の答えを聞いたバミルは意外そうな顔をした後、可笑しそうに微笑んだ。
「人間とは面白いものよの」
彼が手をかざすと机の引き出しがひとりでに開き、地獄の王子はふわりとその中に飛び込んだ。上半身だけを引き出しから出したバミルは一度振り返り、3人を見渡してニッと笑う。
「ではさらばだ。地獄に落ちたら会いに来てくれ」
彼の逞しい背中が異空間の闇の中に消えると、引き出しは元通りにぴしゃりと閉じた。


「ああ!縁起でもねーがな!」


*****


少し話しをしてユーリとルゥチェが各々の部屋へ消えた後、ジャラヒは硬いベッドに身を投げ出し、ふうとひとつ息を吐いた。
長い一日だった。明日からはちゃんと待機命令を守らなければ。
そう考えながら、窓のほうへ寝返りを打つ。そろそろ日付が変わる時間だろう、明日は天気いいのかな、そんなとりとめもない事を考えていた――その時。


がたがた、と机の引き出しが揺れ、ジャラヒはびくりとベッドの上で飛び上がった。


引き出しがひとりでにすうっと手前に伸びてくる。


のそり、と裸の男が上半身を現した。金色の髪、背中にはまるで鳥のような白い翼。
凍りつくジャラヒにゆっくりと顔を向け、男が問う。
「君・・・・ここはブリアティルトかね?」

「ひっ!」


[終わり]
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tag : ジャラヒ

2014-11-26 : いただきもの : コメント : 0 :
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うごうごしりーず

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2014-11-23 : 依頼絵など : コメント : 0 :
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ミミちゃん

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2014-11-23 : 依頼絵など : コメント : 0 :
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TRPGキャラに100の質問~ジャラヒ~

TRPGキャラに100の質問
をジャラヒで。
jarahi12.jpg

1.名前、誕生日、年齢、性別、分かれば血液型と星座を教えて下さい。

ジャラヒ・ワートン。夏うまれ。年齢は17~21。今は21だな。血液型はA。星座?なんだそれ。
(表のようなものを見つつ)
えーっと、蟹座かな。

2.通り名やあだ名、ニックネームなどはありますか?その由来を教えてください。

通名か…コードネームはアトム。武器と同じ名前。
あとは…赤き雨って呼ばれてたな。
今は、普通にジャラヒ。もしくはジャラ。


3.種族はなんですか?

人間。

4.身長、体重、靴のサイズ、視力を教えて下さい。

身長は173。体重は普通。靴のサイズも普通じゃね?
視力は良い、と思う。今のところ。
昔から、ドロシーに暗いところで本読むと目が悪くなるって聞いて、気を付けてはいたんだが…
家族にメガネ掛けてるやつもいるし、おれも気を付けないとなあ。


5.髪の色、肌の色、左右の瞳の色を教えて下さい。

金髪。肌は普通。日焼けしないのがちょっと気に入らないけど。
目の色は、えーっと、何色だ?自分の目の色とか見ねえよ。
あー、碧か。なんかリオがそんなこと言ってた。
もちろん両方同じ色な。

6.スリーサイズを教えて下さい。

男のスリーサイズは聞いてもおもしろくねーだろっていうか、調べたことねーよ。

7.口調、一人称、二人称を教えて下さい。

口調??えーっと、一人称はおれ、かな。実家では僕とか私とか、まあ状況に応じて。
二人称?人の名前呼ぶときな、んー、普通に名前で呼んでる。
小さい女の子はちゃんづけだけど、ほかは呼び捨てかな。あんまりこだわりはないなー。
リオのやつはへんなあだ名っぽいのばかりつけたがるけど。


8.ご職業は何ですか?職種と業務内容を教えて下さい。

前は、ギャングだかマフィアだかに近いことをしてた。
その前は親父の下で秘書みたいなのして、その後は劇場経営。芸能事務所みたいなんつくったり、絵描きや演奏家や歌い手のパトロンしたり。
今はなんだ。
リオの保護者?


9.副業はありますか?どんな内容ですか?

貧乏部隊の家計を助けるために、たまに絵を描いて稼いでる。
うん。副業と言われるとそれがしっくりくるかな。


10.年収(もしくはお小遣い)は幾らくらいですか?

絵を描いてもらった収入はまちまちだなー。それを小遣いにしたり、遠征で得た金額から、一割はもらってる。


11.家族構成を教えて下さい。

……父親と兄貴。母さんは幼いころに死んだ。
ドロシーは家族に入るんだろうか。おれの感覚では家族なんだけど。

12.実家と現住所を教えて下さい。

…実家なあ…んーちょっと秘密。
会社の方はまあ、おれの世界行ったらすぐわかると思う。
で、現住所はオーラムのアティルト。
広場のすぐ裏で、小さいけど立地はいいんだ。いつでも遊びにこいよ。

13.差し支えなければ、生い立ちを教えて下さい。

聞いて面白いもんでもねーけど。
えーっと、産まれてちょっとして母親が死んで、メイドを乳母がわりに育った。あ、そのメイドがドロシーな。
で、8つくらいかな、のときにドロシーが家出てって。
そっから他の色んなメイドたちの世話になりながら、14のときかな、友達ができた。
セリラートっていう…バカだけど結構いいやつ。
スラムで生まれて育ったのに、あんまり擦れてなくて、強くて、信頼できるやつだ。
嘘つかねえし、気持ちいい男だぜ?誰かさんと違って。
で、そいつとつるんでた時、街のスラムが荒れてて、セリと二人で、街を好き勝手してたギャング潰して、スラムの子どもたちと、赤き雨っていうチームを作った。
んだけど、うちのクソ親父と兄貴がそのチームを壊滅させて…
壊滅って優しいもんでもねえけど…
……おれは復讐を誓いながら逃げてたんだけど、セリともはぐれて、なんだかどーでもよくなってたときに、リオに助けられて、それからはリオと共にいる。ってかんじかな。

14.趣味と特技を教えて下さい。

趣味は絵描き。あと最近は料理が楽しいな。
料理っていうか、お菓子作り。こう、ものを量って、少しでもずれると物が変わるっていうの、好きなんだ。
あとは音楽…小さいころにピアノとバイオリンやらされてて、あのときは大嫌いだったけど、
今ちょっと触ると結構楽しいな。別にピアノとかバイオリンじゃなくても、まあ楽器ならなんでもいいんだけど。
で、特技は特になし。
なんていうか…わりとなんでも出来るしな。そこそこ。
これが得意ってのはないんだよな。
できないことはあんまりないけど、得意もない、みたいな。
どれも熱中してやってないのが悪いんだろうな


15.特筆すべき能力はありますか?(魔法、超能力など)

最近、母親がこの魔法の世界の住人だったってことがわかって、まあ、おれも昔から少し不思議な力が使えてたってことがわかった。小さいころはわかんなかったけどな。
クソ兄貴曰く、おれの魔法は、妄想の具現化、らしい。
ブリアティルトに来る前は、ほんと、ちっさな…手品みたいなもんだったんだ。
火薬を少し空気中に混ぜて、爆発させたりとか…魔法みたいだなってセリラートは言ってたけど、
ただの化学ごっこ…のつもりだったんだけど、まあ、そんな、おれが爆発する、と信じることで、火薬を必要以上に爆発させてたらしい。
あと……好きな絵本の女の子を、具現化させちまったことかな。
具現化して、消してしまった。だからおれは、また、奇跡を…使って、あの子をよみがえらせたいと思ってる。


16.長所は何ですか?
集中力、かな。
一つのこと始めたら、結構集中してある程度出来るようになるまで諦めないっていうか…
まあ、ある程度出来たらもういいやってなるから、根気があるってのとは違うかもだが…
そんな感じで、色々こなしてきた…のは長所に入るだろうか

17.短所は何ですか?
あんまり自覚はねえんだが…短気なとこ、かなあ。
いや、同じ部隊にくっそむかつく男がいるんだが、くっそむかつくんだよなあ。
同じ家に暮らしてるわけだし、心を広く持ちたいところだが…
なんっせむかつく!
しかもなぜかむかついてるのがおれだけで、みんな普通に受け入れてるとこがむかつく!

18.自分の事は知能派、肉体派、どちらだと思いますか?
知能派。
クソ魔神が参謀役は自分とか言ってたが、おれのが知能派だろ!あのクソ魔神は肉体派肉男だろ!?
って、あいつのことはどうでもいいんだ。
まあ、体動かすのも嫌いじゃねえけど、できればなんでも頭使って解決したいね。


19.健康ですか?健康である努力をしていますか?
健康…なんじゃないだろうか。
あんまり風邪とかひかねえしな…
…って思ってたんだけど、どうやらドロシーが風邪をひかないようにフォローしてくれてたらしい。
一度ひいたら簡単には治らねえんだよな~
ケガも、結構頑丈なのか、簡単にケガはしねえんだけど、一度すると治りにくい。
治癒能力が極端に低いのかもしれない。


20.よく食べる方ですか?味にはうるさいですか?

普通…だと思うが…
でも、あいつらに比べたら小食かなって。
あ、うちの部隊のやつらな、結構食うんだ。
おれは、まあ、何でも食うけど、結構うるさい方…らしい。うちの食作り担当ドロシー曰くだけど。
結構長いことリオと旅してきたし、食べるものにうるさく言わないと自分では思ってたんだけど、
一か所に留まってみると、確かになあ…
ほら、おれ、昔からぼっちゃんぼっちゃんで良いもん食ってきたから…
いや、当時のぼっちゃん生活に戻りたくねえし、今の生活、別にいいんだけど、
美味いって思うハードルは年少の頃に上がってるから、普通の飯で喜べないっていうか
…けっこう損だよなこれ。

21.好きな食べ物は?
肉ならあっさりしてちょっと癖のある鴨肉。調理の仕方にもよるけど。
あとは桃のソルベが好きだったな。
あーあと、プディング。プリン。
昔な、セリラートが食ったことねえっつーから持って行ったら、一口食ってあいつすんげー顔してさあ。おもしろかったなー。
あ、あと、小さい方のリオも好きだし。
おれが菓子作り初めて、真っ先に作りたかったのがこれ。
今では結構上手く作れるぜ。

22.嫌いな食べ物は?

臭みのある川魚がちょっと苦手。
上手く調理してあるやつはいいんだけどな。
まあ、でも、野宿してるときは、川魚も貴重だったし、文句は言わずに食うぜ?
つまりは、特に嫌いな食い物はなし。

23.お酒に強いですか?
普通。
ワインとかは結構好きだけど、ショウチュウだっけ?あれはちょっと苦手かな。
でもまあ、へべれけになるまで飲むことはしない。
テンションが上がるのは否定しないが…記憶が飛んだことはない、と思う。
たしなむ程度ってやつだな。


24.宝物はありますか?

…宝物っていうか、肌身離さないのは、この、羽根のついたペンダント。
あいつにもう一度逢う為のお守り、かな。


25.マイブームはありますか?またそれは何ですか?

ちょっと前までは菓子作りだったんだけどな
今は特にこれってのはねえなあ。
あ、絵本の読み聞かせ…を、必要に駆られて毎日やってるんだが、これはマイブームに入るだろうか。
いや、小さいリオが毎日読めってせがむから、仕方なくやってるんだが。

26.好きな人はいますか?(恋人、友人、親兄弟としてなど種類問わず)

いるよ。リオ。おれのすべて。

27.好きなタイプは?

タイプ…?
ああ、好きな女性のタイプってやつか。
聞かれたときにこう答えるっていう定型文は持ってる。
「僕がドレスの裾を踏んでも、怒らない人」
…いや、ダンスパーティとかでな!
和やかに一曲だけ踊って済ませたいときに使えるんだぜ?
誰にでも言ってるんだろうって、相手も本気にならないし、ユーモアだって思ってもらえて険悪にもならないから!
今は全く使うチャンスのない言葉だけど!


28.嫌いな、または苦手なタイプは?

岸辺ロイとかいう変な名前の変な男。
・・・あ、女性のタイプでは、好きも嫌いもないぞ。


29.尊敬する人は誰ですか?
ん~…
…しいて言うなら、ドロシーかな。
あと、セリラートのお師匠さん。男なら誰でも憧れる人だと思う。


30.馬鹿にしている人はいますか?

岸辺ロイとかいう以下略。
…まあ、実際そんなバカだとも思ってないけどな。
くそむかつくが。

31.ペット(使い魔、支配精霊など含む)はいますか?
とくにねえなあ。
クソロイはいつも蛇連れてて、気持ち悪いと思ってたんだが、あれ、毎日見てると結構可愛く見えてくるから不思議だよな。
あのクソ魔神に健気に従う蛇。カトちゃんとうーさんっていうらしいぜ?
そういえば、ダリアがしょっちゅうもふもふもふもふ呟いているが、あいつは犬とか飼いたいんだろうか。
なら、うちもそういうの考えてもいいかもなあ。
カトちゃんとうーさんは、すでにおれたちにも馴染んで来てるから、ペットと言えるのかもしれねーけど・・・
主人があの男ってのが気に入らん。
ん?つくね?
あの鳥はおれたちの仲間だから、ペットじゃない。

32.好きな動物は?

…鳥と答えるしかない。

33.嫌いな動物は?
クソ魔神を思うと、蛇!!って答えたいところだが、カトちゃんもうーさんも良い蛇だった。

34.好きな色は?

色とか別に気にしないっていうのは、副業で絵を描いているおれが言っちゃ失格だろうか。
リオの瞳の色の赤は好きだな。
リオが好きって言ってくれたおれの瞳の碧も結構好き。
んー、絵を描くことで好きな色って思うと、また違うかな…
油断すると、冷たい色ばかり使っちまうから、敢えて明るい色ばかり使うようにしてる。
明るい色は、好き、かな。

35.嫌いな色は?
クソ魔神が好んで着る青とかブラウン。
…というのは冗談で。
血の色のアカ、はあんまり好きじゃない。
リオの瞳みたいに、綺麗な色ならいいのに。

36.愛用の道具は何ですか?

筆?ああ、アティルトの魔法道具屋で買ってる。
結構長持ちするし、洗いやすくておすすめ。
何の毛を使ってるのかは、頼んでも教えてくれないのがちょっとひっかかるけど。

37.愛用の武器は何ですか?

アトム。
セリラートの武器モルキュールと一緒に買ったんだ。
…どんなものって…
これ、結構おれの企業秘密ってやつなんだけど。
形状は、小さな指輪みたいな…これ、外から見ると何も付けてないように見えるだろ?
手のひら側につけるんだ。
で、ここに小さな穴があって、ここに火薬を入れる。
で、こうやって火薬を撒いて、爆ぜさせてるってわけ。
おれたちの世界では、目くらまし程度にしかならなかったけど、この世界は魔力ってのがあるから、結構遠くまで飛ぶぜ?
ちなみにセリラートが使ってるのは、こんなに小さいもんじゃなくて、ナックルだけど。

38.愛用の防具は何ですか?

重い防具が持てるように見えるか?
対刃ジャケットがせいぜいだ…

39.貴金属は好きですか?

ん、まあ、好きだな。換金できるし。


40.自分はケチだと思いますか?

普通じゃね?
浪費癖はないが、別に溜めこむのが趣味でもないし…
言わないようにしてるが、正直、金銭感覚に自信はないんだよなおれ…
家出るまで、自分で買い物とかほとんどしたことなかったし。
そして外出てからはスラム&野宿生活。
普通だと思うが、普通ってなんだ…


41.地位、権力に興味がありますか?

興味ないしいらないし兄貴に継いで欲しいしその手のものからは出来るだけ離れたい。


42.子供の頃の将来の夢は何でしたか?

…笑うなよ?
一番幼い記憶では……王子様になりたいと思ってました!
だって!絵本のあの子が!最後王子様と結婚して幸せになるから!!
おれも王子様になったらあの子を幸せに出来ると思ったんです!!!
5歳児だかそれくらいの頃の話だ。
…ほっとけ!!


43.目標はありますか?

リオともう一度逢うこと。逢って、幸せにすること。


44.欲しいものはありますか?またそれは何ですか?

もの?は、ないかな…
…いや、リオをもう一度呼び出せるものとかあるなら…
いや、それで今、小さいリオがうちにいるわけだけども。


45.前科はありますか?

………おれとしては普通に生きてるつもりなんだが。
スラムのギャングをぶっ潰して赤き雨立ち上げた時に一回。
赤き雨が潰されて逃げた時に一回。
逃げた間に4回…くらいだったかな…窃盗食い逃げその他口に出せないもんとか
あ、あと、最近、リオが消えて、それを復活させる手段を探しているときに、
ダリアによって指名手配されてたけどあれも前科に入りますかね、入る?そうかー。


46.公的に表彰された事はありますか?

7歳の頃に、バイオリンで賞を取ったことがある

47.友達はいますか?その中で親友と呼べる人は?

なぜか一緒に住んでる魔神の顔がよぎったが、おれの親友はセリラートだ。

48.仲間とは仲が良いですか?どう思ってますか?

一名の魔神以外とは友好的なつもりだが、指名手配かけられて殺されそうになったこともある。
…けど、まあ、いいやつらだって思うし、あいつらの為になることならなんでもしたいとは思う…かな。
言わねえけど。手出しはさせない。

49.リーダー格ですか?参謀ですか?その他大勢ですか?

おれのこと?
なら参謀…かな。
え?
参謀だろおれ…。
部隊での役割のことだろ?
リーダーがリオで、参謀がおれ。でロイのやつが肉。ドロシーが守備で、ダリアが狙撃で、サツヤが支援。
結構バランス取れてるだろ?
…ん?ロイが参謀でおれが突撃特攻ですぐ倒れるやつ?
それ、ロイの野郎の言葉だろ!?逆だ逆!おれが参謀な!

50.人気はある方だと思いますか?あるとしたらどの部分?

金持ってて、財閥の跡取りで、そこそこ頭の良くて、立ち回りの上手い坊ちゃんだったからなー。
まあ、当時はともかく、今は、金もねえし地位もねえし、モテねーだろ。

51.……疲れましたか?

リオのお守りやってるときより疲れねえよ。まあ、好きであれはやってるんだが。

52.他人に迷惑をかける方ですか?かけられる方ですか?

自分としては、かけられる側だと思ってるんだが…
こないだまでちょっと失踪してたから、ドロシーには心労かけたなと…
悪かったと思ってる。


53.他人から自分はどう思われていると思いますか?

あのうるさい赤雫さんちの金髪にーちゃん?
…一味の中では常識人…と思われていることを祈ろう。

54.他人を信用する方ですか?

あー、おれは疑う役目だな。
リオがあのとおり、誰でも信用するし。
ドロシーは優しすぎてダメ。
サツヤはあの通りお人好しを絵に描いたよーなやつだし。
ダリアとロイは、しっかりしてそーでたまーに抜けてるからな。
おれがしっかりしてないと。…って、あいつらも同じこと言ってそうだが。
ってことで、基本おれが疑う役。
だから、疑わせてもらうぜ?悪いな。

55.もてますか?

もてねえだろ…こんなビンボー部隊で子守りにひーひー言ってる男だぞ?


56.嘘は上手いですか?

下手ではないつもり。


57.感情がすぐ顔に出る方ですか?

これでいて、ポーカーフェイスは得意な方。


58.偏見はありますか?

人間なんて、みーんな偏見の塊。それでいいんだよ。


59.差別についてどう思いますか?

必要悪とまでは言わないけど、あるんだろうな。
おれは、守りたいものは守る。できることはする。
昔は…うん。
昔は、全部おれの手で、なんとか出来るって思ってたけど、もう、それができないことくらい知ってる。
から、まあ、悪いが、おれの手が届くとこまでは、そーいうの、ないほうがいい、かな。

60.ボケる方ですか?それともツッコミを入れる方ですか?

残念ながら、赤雫部隊さんのツッコミの方って言われるおれです。
ツッコミの方ってなんだよ!ボケは誰だよ!!

61.癖はありますか?(口癖も含む)

元々、固い口調っていうか…上品?な言葉遣いだったんだが、
セリラートと出会ったときに笑われて、スラム街で言葉を崩す特訓、修行、訓練、練習、を重ねて、崩し言葉を学んだ…
んだが、なんか、これ、癖になって、ちょっと変かなってたまに思ったり思わなかったりする。
久しぶりにあった兄様が、人間外を見るような目で、僕…おれを見た時は、ちょっと反省した…りしなかったり。

62.責任感はある方だと思いますか?

無駄にある、方…というか、気になって仕方ねえんだよなー。
神経質ってよく言われる。

63.楽観的ですか?悲観的ですか?

楽観的なガキじゃなかったら、家飛び出してスラムでギャングやってねーと思う。


64.自分はノリの良い方だと思いますか?

我ながら、律儀にツッコミ入れてやることねーんじゃねえかなって思う。


65.冗談は好きですか?

好きも嫌いもない。…よくわかんねえんだよなあ、そういうの。
まあ、面白いことは嫌いじゃないから、いいんじゃねえの


66.口より先に手が出る方ですか?

先制は打たねえとあの魔神に勝てねえよ。
暴力って意味なら、あの魔神以外には手は出さねえなあ。疲れるし。
基本、頭使って解決させたいタイプ。


67.好奇心旺盛ですか?

そのおかげで、総帥の秘書の空き時間にスラムに降りてしまい、セリラートと出会ったわけだ。
好奇心は猫をも殺す。
まあ、後悔は、正直したことは、ある。
だけど、出会いは感謝してる。それは…否定できないな。


68.墓穴を掘ってしまう方ですか?

これなー。たまにやるなあ。
うちの部隊は、気づかないふりをしてくれる優しいやつらが多いから助かってる。
あ、これ皮肉な。


69.お祭りなど、賑やかな所は好きですか?

……好き、かな。
うん、好きだ。ちょっと自分で考えてびっくりした。昔、相当嫌いだったんだ。パーティとかそーいうの。
今は、みんなでわいわいするの、好きだな。うん。楽しいし、刺激受けるし。
何より、リオも喜ぶしな。


70.物事に対して積極的ですか?

普通じゃねーの?
まあ、先のことを考えて、やめといた方がいいってことはしないけど…
というと、消極的になるのか?
でも、わりと何でもやりたいって興味わく方だけどな、料理とか絵もそうだし…
んー、まあ、普通、だな。


71.やる気は持続する方ですか?

これな。ある程度出来るようになるまでは、一心不乱に打ち込めるんだけどなー。
出来るようになったら飽きる。となると、持続しない方になるのかな。


72.ゲンは担ぐ方ですか?担ぐとしたらどんなもの?

ゲン?そんなん担いでどうなるんだよ。そんなのより、もっと考えて現実的に先に進めるさ。
ん?このお守りの羽根?これは、ただのお守りっつってんだろ?
お、ま、も、り。
ゲンなんてそんな胡散臭いもんじゃ……あれ??


73.いざという時に冷静でいられる自信はありますか?

冷静でいるようにはしてる。
怒りに支配されることほど、愚かなことはない。
どっかで冷えた自分は、絶対いるかな。
かといって、その冷えた自分に何ができるかと言ったら、別だけど。


74.トラウマはありますか?(恐怖症など)

5歳だかそこらのときに、ドロシーに海に投げられた。
サメがいたんだ。ぜったい。追いかけられた。
それを言っても、ドロシーは信じてくれないんだけど。
たしかに、あのサメは、いた。


75.コンプレックスはありますか?克服する努力をしていますか?またその方法は?

コンプレックス、か。
小さいころは、兄様…あのドSメガネ兄貴みたいになりたかったこともあったな。
それで、兄貴みたいに冷静な奴になりたかったんだ。
それから、最近は…人を愛するっていうのは、ドロシーみたいに無条件に与えるものだと思ってた。
だから、なんで自分がイライラしてるのもわからなくて。ロイを頼るリオを見て、リオの助けになるなら、それでいいと思ってたんだ。
だけど、違うだな。
嫉妬するのは当たり前だし、冷静になれないし、イライラするのも当たり前だ。だって、おれの手でリオを幸せにしたかったんだから。
ってわけで、おれは素直にクソ魔神がむかつく。


76.自分は繊細だと思いますか?

繊細過ぎて、風邪ひいて治るのにひと月かかるくらい。
あんまりひかないけど。


77.クサイ台詞は好きですか?言った事があればその台詞を教えて下さい。

クサイ台詞?ああ、クソ魔神がよくいうやつ!決め台詞とかクサイよな~何が「ピンチはチャンスの合図だからな」キリッだ。
はずかしいっつーの。
おれはああいう恥ずかしい台詞は、言ったこともない。


78.あなたの性格を一言でいうと?

真面目クール?
…ツッコミ苦労性って言うな。


79.今まで一番印象に残っている出来事を教えて下さい。

リオが、おれに生きてていいって言ってくれたこと。
おれは、死んでもいいって思ってたんだけど。
生きてほしいって言って、笑ってくれたそのとき、おれは彼女のために生きようと思ったんだ。


80.今までで一番の失敗は?

あの子に……
いや、あの子が消えたのは、確かにおれが彼女に、気持ちを伝えて、幸せを誓ったからだけど。
だけど、それを失敗にしたくない。まだあきらめない。
それで、もう一度、今度は絶対に消えないように、ハッピーエンドの先を約束してから、もう一度言うんだ。


81.「裏切られた!」と思った瞬間は?(ギャグ、シリアス問わず)

兄貴がダリアの幼馴染だったこと。
あの!ダリアが!あの兄貴と!仲良さそうにしていたときは、何故か見事な裏切りにあったような気がしたな…


82.今までに出会った一番の謎は?

おれの父親と母親の出会い


83.特別な移動方法はありますか?

おれの世界とこの世界を繋ぐ呪文。
かかとを三回鳴らして、「お家に帰りたい」って言うと、元に戻れるんだってさ。
リオの知ってる時空移動呪文。
ちなみにクソ魔神は、それを使わなくても自由自在に移動できるんだと。


84.逃げ足は速いですか?

間が悪いっていう、何やらそんな不運はあるけど、基本は早いほう。ギャング時代に鍛えた。


85.死にかけた事は何回ありますか?良ければ原因も…。

んー、ギャング時代は結構何度もあるな。
それが日常だったから、原因とかキリがないけど。
まあ、今も傭兵仕事だし、これもまた日常。
今も昔も、仲間は誰も死なせない。そう思ってるのは事実だけど、覚悟はいつもしてる。


86.コネはありますか?

何のコネだ…。
この世界のコネは何にもない、はず。
あ、でも路上で絵を描いても怒られないコネはある。


87.賭事は好きですか?

たまにな。やる。
のめり込むことはないが、嫌いじゃない。
男で賭け事嫌いな奴はいないだろ。


88.記憶力は良い方ですか?

クソ魔神に言われた皮肉は全部覚えてるぞ。


89.「オンチ」な事はありますか?(方向、歌、運動etc...)

どれもそこそこ出来るからなあ。とくにそーいうのはない、かな。


90.暑いのと寒いの、どちらが好きですか?

どっちも嫌いだ。
寒いのもなあ、筋肉あんまりねーから結構しみるし、暑いのも、そこまで体力が無限にあるわけじゃねえから、苦手っていえば苦手。


91.お気に入りの場所は?


ギルドの奥にある書庫。
結構好きでたまに籠ってる。
あそこ、なんでも本があっていいぜ?
落ち着く。


92.綺麗好きですか?

そーだなあ。几帳面だから、結構気になる方かも。


93.ひとりだけになったとき暮らしていける自信はありますか?

それは問題ない。
しばらく、一人だった時期もあるし。
まあ、さすらい彷徨いな生活だったから、普通に平和生活で一人暮らしってのはしたことないけど。


94.睡眠時間はどのくらいですか?

あんまり寝なくても苦じゃない方だが…まあ、5~6時間かな。普通に。
夜中まで起きて、昼近くまで寝てることは否定できない。


95.何処でも寝られる方ですか?

基本はどこでも。
ただ、眠りは浅くなるな。
寝なくても苦じゃないから、気にしないが。


96.夜型ですか?朝型ですか?昼型ですか?

夜型。
リオもロイも朝方らしく、朝に訓練やら遊びやらの声が聞こえてくるのはどうにかしてほしい。


97.信じるものはありますか?

リオ。
前はそれにドロシーも加えてたけど、彼女を盲信してたら、彼女のためにならないことを学んだから。
親離れってことで。
今はリオが一番に、いつも信じてる。


98.これだけは譲れないものは何ですか?

おれは、物事に執着とか、あんまりしない方だと思ってる。
執着しないようにしてたのが、癖になったってのもあるかも。
だから、譲れないのはひとつだけ。
それだけは、もう何があっても手放さない。


99.自分の事が好きですか?

んー、そうだな。
生きてほしいって人がいるうちは…うん。好きだ。やっとそう思えるようになった。


100.最後に一言。

よし。
明日もがんばろうっと。

tag : ジャラヒ

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