アネモネちゃんVSジャラヒ~野球拳~

もねさんと、アネモネちゃんと野球拳を挑むジャラヒのネタ話をしたら描いていただきました!!
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ジャラヒの不憫&みじめさに感激したので、続きもどきを描かせてもらった結果
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以下最初に戻る。
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2016-04-05 : いただきもの : コメント : 0 :
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今までいただいたリオ子

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2015-04-06 : いただきもの : コメント : 0 :
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頂き物【ジャラヒ・ワートンと謎のプリンス】by幽しの剣様

幽しの剣さんからSSをいただきました!
出演は、「幽しの剣」のルゥチェさんと、「通行集団」のユーリさん。と、赤雫のジャラヒです。



【ジャラヒ・ワートンと謎のプリンス】

身体は疲れ切っているのに眠れない。
そういう時はつまらない事を考え出して憂うつになるものだ。

だから――オーラム共和王国の傭兵部隊赤雫激団の一員――ジャラヒ・ワートンはいっそ眠らないことに決めて、粗末なベッドから身体を起こした。



昨日はまったく長い一日だった。



周期を記憶する者の間で“13期”と記録される今回の“巡り”―――王都アティルトの地下にある《黄昏の聖域》の謎の拡大現象により、戦場は広大な地下遺跡群へと広がった。

ジャラヒが他の幾つかの部隊と共に駐留していた地下闘技場跡を巡り、イズレーン皇国軍と激しい戦闘になったのが正午前。一旦撤退して負傷者を後退させ、部隊を再編し闘技場跡を奪還したのが日没後であった。

増援と交替して駐留を任せ、ようやく地上に戻ってきたジャラヒは日付の変わった深夜、軍が臨時に借り上げた安宿の小汚いベッドに身体を投げ出したのである。




そしてその数時間後――窓際にある机からしばらく窓の外を眺めることにした金髪の青年は、音を立てないよう静かに椅子を引いた。

階下では同じ部隊に編入された戦士のユーリと女剣士のルゥチェが疲れ切って寝ているはずだ。起こしては悪い。元いた世界で昔ギャングだったというとマナーとは無縁と思われがちだが、実はジャラヒは細かいところに気が回るほうだ。彼自身は、半分は乳母の躾けのおかげで、半分は自分の生来の気質だと思っている――犬猿の仲の赤雫激団の同僚ロイは忌々しくも後者を否定するだろうが!

そういえばそのロイ青年も昨日の戦闘で重傷を負って王都へ送還されたのであった。

まーあいつのことだから死にはしねーし、怪我人として周囲から優しくされるのが腹立たしい。
そんな事を考えて、ふ、と笑う。
なんだか嫌いな男のことばかり考えているじゃないか。
(紙とペンでもあれば、落書きでもして時間つぶせるんだけどな)
そう考えて無意識に机の引き出しを開けようとしたジャラヒはようやく“異変”に気がついた。

僅かに“しゅうしゅう”と湯でも沸かす時のような音が引き出しの中から聞えてくる。
心なしか引き出しそのものも熱をもっているようだ。

(な、なんだ?)

恐る恐る引き出しを開けようとしたジャラヒは突然手前に伸びてきた引き出しに強く突き飛ばされて吹っ飛び、椅子ごと後ろ向きに転倒した。

「うお!なんだよ、いっ・・・」

ジャラヒは言葉を続けられなかった。

引き出しの中から褐色の肌の筋骨隆々の男が裸の上半身を現したのだ!


「う  お  あ  あ  あ  あ  あ  あ  あ !!!」

この不幸な青年は叫びながら扉まで這って行き、ドアノブを回して退路を確保すると、ようやく後ろを振り返った。男はまるで湯船から上がるかのごとく引き出しの縁に足をかけて机の前に降り立ったところである。何も身に着けていないのは上半身だけではない。全裸だ。見事なまでに。


「な、なんですか・・・夜中ですよ、騒々しい・・・」いかにも寝起きという寝癖だらけで半目のルゥチェが扉の隙間から部屋の中を覗き込んだ。「・・・・・ん」

少女の視線は部屋の中央で全裸のまま仁王立ちする男に真っ直ぐに注がれる。上から下に動いた視線はもう一度上に上がって身体の真ん中より少し下の一点でしばし止まった。それから腰をぬかさんばかりにドアノブに縋りついたままのジャラヒを見、顔を引っ込めて静かに扉を閉めようとしたところで、ルゥチェは慌てたジャラヒに腕を掴まれた。
「おい!なにスルーしようとしてんだ、おまえ」
「だ、大丈夫ですよ・・・誰にも言いませんから・・・わ、私だって小さな子どもじゃ、ないんで。どうぞ楽し「いや、違えよ!なに考えてるか言わなくてもわかるけど、それは違えから!」

「大丈夫ですって・・・ただちょっと」

「びっくりした」

「だけです」

「ま、待て。とにかく説明させろ。俺もよくわかってねえけど、わかってる事だけ説明させろ」ここで逃げられては後々色々困りそうなジャラヒが、ルゥチェの腕を掴んで部屋に引っ張り込もうとしているところで、廊下がみし、と軋む音がした。
音の方に反射的に目がいくと、廊下の先に少し困ったように赤面したユーリが立っていた。完全に「見てはいけない場面に出くわしてしまった」という顔だ。彼もまた騒ぎを聞いて様子を見に来たところであった。


「す、すみません!」踵を返そうとするユーリに、ジャラヒがまた慌てて声をかける。「おい、おまえもかよ!違えよ!待て、とにかくおまえも部屋に入れ。説明できるところだけ説明させろ、頼むから!お願いだから!」

*****


ジャラヒが口早に説明を終えると、並んで体育座りして聞いていた二人はとりあえずは納得したような顔をした。
「・・・ユーリ、おまえもおまえだ。だいたいこんな女、俺が部屋に連れ込むわけねーだろ」
ジャラヒが忌々しそうに隣に座ったルゥチェを見ると、女剣士も「ま、まあ、私はようじょ、じゃありませんからね・・・」と反撃する。
「消し炭にするぞ、おまえ・・・」さすがにルゥチェはダリア――赤雫激団の同僚でありながら、一度はジャラヒの命を狙ったこともある暗殺者の少女――の友人である。相性が悪い。
「ジャラヒさん、それより、この人ですよ」
ユーリに言われて思い出した。そうだ。この全裸男だ。人の部屋にいきなり現われ――しかも全裸で――今も自分の身体を見詰めながら難しい顔で突っ立っている。何を考えてても構わねえが、そんな事は他所でやってくれ、とジャラヒは思った。

「おい、あんた」
ジャラヒが声を掛けると、たっぷり3秒は置いてから男はゆっくりと顔を向けた。
「あんた誰だ?なんでそんなとこから出てきた?きちんと説明してくれ。・・・いや待て、説明は後でいい。その前に服を着ろ、隠せ、とりあえず」

そうは言ったものの、全裸で現われたのだから男が服など持っているはずがない。荷物に着替えはあるが、どちらかといえば細身な自分の服が合うとは思えなかった。ジャラヒがそう考えた時、男はようやく口を開いた。



「余は第129614525662798層地獄の王が第2子バミルである」



今度は3人の息が合った。
「・・・はあ!?」

「ここはブリアティルトであろう?やはりかの門により力を制御される、という噂は本当だったのだな」

地獄の王子?
この世界に流れ着いた者の中には神やら半神やらいなくもないが、目の前で名乗られるとやはり突拍子もない話である。
「ほ、ほんもの、ですかね・・・」
見た目は人間と同じに見える。それらしい蝙蝠のような翼やら角やら牙やらは何もなかった。
「わからねーな。とりあえず頭に角は・・」
耳打ちしてきたルゥチェに小声で答えたジャラヒは危ないところで言葉を飲み込んだ。
ユーリの前だ。取り返しのつかない事を言うところだった。



「あ   く          ま   」



ユーリが小さく呟いた。
彼は羊角族だ。幼い頃、その角ゆえに心ない者から時に刃のような言葉を浴びせられてきた。
怯え、恐れを目に浮かべたものたちが通り過ぎざまに囁くのが聞こえる。
――悪魔――と。


「な・・・・なにしにブリアティルトに来たんです!?まさかこの世界を征服しようとか人間を滅ぼそうとかいうつもりですか!?」ユーリが気色ばんでバミルに詰め寄る。それでも敬語を使ってしまうあたりが彼らしい、と場違いにもジャラヒは思った。
「神も人も自分の都合のいいように我らを語る。地獄とて輪廻の輪の一部に過ぎぬ。応報はその基礎ぞ。魂が地獄で責めを受けるのは、おまえ達の言葉を借りるなら自業自得というものだ」

バミルが窓のカーテンに向かって手をかざすと、それは引き千切れて彼の身体に巻きつき、一瞬で黒の礼装へと変わった。
「ブリアティルトには見聞を広めに来た。褒美はとらせる。案内せよ」


*****


(どうしてこうなった)
市場を興味深げに歩く“地獄の王子”の後に続きながら、ジャラヒは額に手をやった。
(生まれ変わったら魔神とか悪魔とかと関わらない一生を送りたい)



バミルの言によれば、彼の国――というか地獄――では父王が定めた世継ぎ以外は自ら新しい地獄を創らなくてはならない。その為に人間を深く理解したい――という事らしい。
情報収集に配下をブリアティルトに送ったものの、さっぱり戻ってこないので、“黄金の門の歪みが大きくなった――つまり入りやすくなった”この機会に自ら視察に赴いた・・・・・そうだ。

軍からは宿にて待機の命令を受けている最中だから本来ならツアコンの真似事などしている場合ではないのだが、あの人を監視します!と息巻くユーリを一人にするのは危険に思えた。面白がったルゥチェが私も付いて行く、と行ったものの、たぶんこいつは頼りにならない。
―――自分の目の届かぬところで大切な人間が消えるのは、もう沢山だ、とジャラヒは思う―――(仕方ねーか。ユーリになんかあったら寝覚めがわりいし)


夜明けを待ってアティルト散策に繰り出したこの珍妙な一行は、とりあえず名所旧跡を練り歩いたものの、地獄の王子は全く興味を示さない。関心無さそうにされると、適当でいいと思っていたのに悔しいもので、なんとか面白そうな顔させてやろう、という気分になってくる。
「き、きっと人がいるところが、いい、んじゃないですかね・・・人間を理解したいって言ってたし・・・」
「でも、人ごみに連れていくのは危険じゃないですか?」
「まーいきなり暴れたりはしねーんじゃねえかな」
「わ、悪そうな場所が嬉しいんじゃ、ないですか・・・?悪い感情を体内のデビル袋に吸収するんですよ、きっと」
どこまで適当なんだこいつ、と思ったがルゥチェが言うことにも一理あるような気がしてきた。そこで午後から賭場や私娼街、貧民街に行ってみると確かにそれまでとは表情が違う。人間の感情が渦巻くようなところがいいのかもしれない。もっとも万一に備えて3人は武装していたから恐ろしく悪目立ちし、絡んでくるチンピラを巧くあしらう役を任された――というか生真面目なユーリや変人のルゥチェには無理なのだ――ジャラヒはいい加減疲れ果てていた。「・・・・おい、悪いとこはもういいだろ、市場とか行こうぜ・・・」

うんざりした顔のジャラヒと表情のないバミルが並んで歩く、その後ろ。

「・・・ん、・・・リさん、・・・ユーリさん」
「え、ああ。ルゥチェさん・・すいません。考え事してて」
南門近くの市場を目指す道すがら、隣を歩く女剣士に声を掛けられ、角持つ青年はハッとした顔をした。
「そんなに恐い顔しなくても、あの人は悪い悪魔じゃ、な、なさそうだよ・・・」
「・・・・俺、そんな顔してましたか」
「し、してた」
「ルゥチェさんは・・・平気なんですか、あの人は悪魔なんですよ。今まで何ともなくたっていつ本性を現すか」
「そしたら、そん時やっつければいいんじゃない?わ、私はべつに正義の味方でも光の使徒でもないからねえ・・・・」
ユーリだって本当は分かっているのだ。“彼ら”を敵視するのは筋違い・・・言ってみれば逆恨みだ――幼い自分を傷つけたのは悪魔じゃない。悪魔を恐れただけの“普通の人間”なのだから。

だがもし悪魔というものが存在しなかったなら。

俺は――――今の俺になっていたんだろうか?


*****


「ジャラヒ、あれは何だ」
市場を見終えた一行が次に噴水前広場へ向かう途中、人家や商店が途切れ、空き地がやや目立つ辺りでバミルは足を止めた。
ん、と地獄の王子が指差したほうに目を向けると空き地にカラフルなテントが立ち並び、人だかりができていた。
「あれは、サーカスだな」
「・・・サーカス」
「見世物小屋だ。動物や道具を使った芸を見せるんだ」
「ゲイっていうのは・・・・」
「ルゥチェ、おまえは黙ってろ」

興味が湧かないのか、ぷいと顔を背けて再び歩き出したバミルだが、数歩歩いたところで何かに気付いたように急に立ち止まった。

「・・・やはり、サーカスとやら、見ておくとしよう」

テントを潜ると既に芸は始まっており、4人は入り口近くに適当に腰を下ろした。

ピエロの軟体芸、ジャグラーの玉乗りジャグリング、トランポリンを使った曲芸と続き、大男が口輪をつけた熊と格闘を始めたところで、バミルが急に明後日の方向に目を向けた。

「どうした?」ジャラヒが視線の先を追う。


風船だ。

出口を潜り、ふわりと外へ飛んでいく。


ひとりの小さな男の子がそれに気付き、テントから飛び出した。
男と熊のレスリングに釘付けの父親は手を離した息子に気付きもしない。
外に出た男の子はさらに風船を追いかけ走る――まるで何かに魅入られたように。

風船は手繰りよせられるかのように、一番奥のテントの前に佇むピエロの手に納まった。

男の子がピエロの前で立ち止まると、ピエロは風船を彼にゆっくりと差し出し―――


「シャァァッ」
獣のような唸り声を上げながら、赤黒い牙を剥き出しにした!


「ッ、アトム」
子どもの首に伸ばした腕が青い魔弾に弾かれ、ピエロが痛みと衝撃で数歩後退する。
「おいなんだよ、ぼっちゃんよりも悪魔っぽいのがいるじゃねーか」
駆けつけたジャラヒが僅かに息を弾ませながら言った。
さらにその横を鋭く踏み込んだルゥチェが抜打ちで胴を横に薙ごうとしたが、ピエロは人間離れした跳躍で飛び退いてみせる。

けけッ。
道化師の瞳が濁った黄色に輝く。
魔力を感じる能力など無くても本能で分かる。


――こいつは“魔”だ。人間じゃない――


ユーリは固まっている男の子を抱き上げると、急転換してジャラヒの数歩後ろまで怪人から距離をとった。腕の中の小さな少年は、憑き物が落ちたようにすっかり怯えており、今にも泣き出しそうな顔をしている。
そうだ――俺はこんな顔をしていた――周囲に怯えて。
「ぼく、名前言えるかい」
「え、エド・・」
「ようし、エド。泣くのはもうちょっと我慢して。あそこにテントがあるね。そこでお父さんが待ってる。そこまで後ろを振り返らずに走るんだ。できるね?」
ぶるぶると男の子は首を横に振り、ユーリにぎゅっとしがみついた。怯えきっている。
「エド、これは君にしかできない。ここは危ない。お父さんに知らせてみんなでここから逃げるんだ。君はお父さんを助けたいだろ?」
少しだけ考えて男の子は頷いた。
「よし、行くんだ。エド!」
ユーリに背中を押された小さな勇者が一目散に駆けて行った。
(今の俺は違う、あの頃とは。あの時泣いたから――今の俺は誰かが泣かないように戦える)
きっ、とピエロに向き直ったユーリが砲槍を突きつけながら叫ぶ。
「何者だ、あなた」

撃たれた腕をさすりながら、ピエロは不敵に口の端を吊り上げた。
「芸を見ても催眠にかからんとは・・・・驚いたな」
ピエロの隣にどこからともなくジャグラーや大男たちが現われた。芸をしていた4人全員が共犯というわけだ。


「くく、邪魔するなら貴様らの魂もい「おまえ達、余の命を放り出し、こんなところで何をしておった」


背後からのいきなりの声に、驚いたピエロたちは飛び退いて身構えた。いつの間にかバミルが怪人たちの背後に立っていた。
「いつの間に!なんだ貴様!?」
「余の顔、見忘れたか」
「なにぃ、余、だと?」
記憶の糸を手繰るように目を細めたピエロの顔がハッとしてから大きく歪んだ。
「で、殿下・・・!」
「輪廻の外で勝手に魂を収集し、私物化しておったな!」
バミルの喝に一瞬ひるんだピエロだったが、すぐに覚悟を決めたようである。見られた以上やる事はひとつしかない。
「で・・・殿下がこのようなところに来られるはずがない。構わん、やれッ」

ピエロたちの身体がみるみる膨張する。衣装が裂け、変身を解いて地獄の住人の本来の姿を現した。

ピエロは――燃え盛る炎を纏う巨大な車輪に――
大男は――岩塊の巨人に――
ジャグラーは――鎖を全身に巻きつけた黒き人形(ひとがた)に――
トランポリン使いは――鉤爪を持った猿のような獣人に――



近くで悲鳴が上がった。
催眠が解けた見物客たちがテントから出てきて、異形の魔物の姿に気付き、恐慌をきたして逃げ始めたのだ。エド少年もあの中にいるはずだ。
バミルに付き合って戦う義理はないが、せめて彼らが逃げる時間は稼がねばならない。



「くるぞ」バミルが色のない声で告げると、それが戦闘開始の合図となった。


鎖の悪魔が展開した数十本もの鎖で視界がいきなり黒に染まる。
「ルゥチェさん、俺の後ろに!」漆黒の鎖は無数の軌道を描いて、最も近くにいたルゥチェと彼女をかばったユーリをその渦に飲みこんだ。

危うく飛び退いてかわしたジャラヒには猿面の獣人と燃える巨大な車輪が向かってきた。
バミルは岩の巨人と対峙している。

傭兵たちとバミルは――三手に分断された。

「おかしいだろおまえら!なんでぼっちゃんに1人で俺に2人なんだよ」
ジャラヒはそう叫んでみたものの、既に互いの距離は離れてしまっている。加勢は期待できなさそうだ。何とかどちらかだけでも倒しておきたいが、ジャラヒはすぐにそれが簡単でないことに気付いた。まず車輪のほうは炎を纏っていていかにも火に――こちらの攻撃も火なのだ――強そうだ。おまけに猿のほうは動きが変則的で狙いがつけにくい。
(・・やべーな、これ。死ぬかも)




(・・このまま打たれ続けるとまずい)
ユーリは槍で捌ききれなかった無数の鎖の鞭を全身に受けていたが、彼の白き鎧はダメージを最小限に止めていた。とはいえ高密度の鎖の攻撃は――黒っぽい木乃伊のような――貧弱な本体の防御を兼ねており、反撃に転じる隙がない。
「ルゥチェ、さ、ん・・・なんとか、なりませんか」

ユーリが後ろで頭を抱えて丸まっているルゥチェに声を掛けると、女剣士はようやく顔を上げて彼の顔を見た。
「よ、よし・・・作戦考えたよ・・・いくよ!」
「え、ちょっ・・・せつめ「次元跳躍!」

幽刃剣士の転送能力は、鎖の悪魔を上空に吹っ飛ばした。
落下の衝撃で倒すつもりなのか―――だが今度は全ての鎖が高跳び棒のように地面に突き刺さり――その衝撃を吸収してしまう。

「今だ!次元跳躍」
すぐさま、ルゥチェは2度目の転送を発動した。
今度は飛んだのが――ユーリ――だ!

一瞬思考が停止しそうになったユーリだが、飛ばされた自分の遥か足下に“鎖を全て支えに使って無防備な悪魔の背中”が見える。青年は女剣士の意図を瞬時に理解した。
「おおお!」
全体重を預けながら逆手に持ち替えた槍を痩せこけた黒い背中に叩き込むと、奇怪な叫び声を上げて悪魔はぼろぼろと乾いた砂のように崩れ落ちた。
「き・・決まった流星ユーリ作戦・・・」
呟くルゥチェの前にどさりとユーリが落ちてくる。
「作戦には着地を含んで下さいよぉ・・・」



「どうした、金髪の小僧!逃げるだけか?ヘタレか貴様!?ヘタレヤンキーか!?」
どこかで聞いたようなムカつく罵声を浴びせられてもジャラヒは敵の波状攻撃を避けるだけで精一杯であった。撃ち返す余裕がない。
元々向き合ったところからヨーイドンで一騎打ちするタイプではないのだ。
身体を捻って猿の攻撃をかわしたものの、弾みで思わず尻餅をついてしまう。
そこへ燃え盛る地獄の車輪が迫った。
――――――が


「アトム」
ジャラヒは小さく術発動のキーワードを呟いた。
吹き飛んだのは地面。
攻撃をかわしながらこっそり仕込んでいた地雷代わりの大量の魔弾が爆ぜて地面を混ぜ返し、車輪を凹凸にとられた悪魔は、ジャラヒから逸れて無人のテントに突っ込み幕に絡まった。
「キィッ・・!」
猿面の悪魔が焦ったような声を上げる。
車輪と交互にジャラヒを攻撃していた猿面だが、いきなり1対1になったからといって急に止まる事はできなかった。
「アトム」
魔力で誘導された4発の青い炎弾がついに獣人を捉え、燃え上がった悪魔は地面に落ちて砂粒のように砕けた。
(来るタイミングが分かってればカウンターくらいできるんだよな)




ユーリたちが勝ち、ジャラヒも一体を斃すと、まるでそれを待っていたかのようにバミルが攻勢に出た。それまではあしらうように巨人の拳打を受け流していたが、彼がすっと手をかざすと巨大な岩の拳がぴたりと止まる。
「おのれぇ!」
絡みついた天幕を燃やしてテントから飛び出した車輪の悪魔がジャラヒを無視してバミルに襲いかかったが、地獄の王子が反対の手をかざすとやはり金縛りにあったように動けなくなってしまう。
「成敗」
バミルが両手を交差するように振ると、巨人と車輪は浮かび上がり空中で――悲鳴を上げながら――激突して爆散した。
「す、凄い・・・」よろよろと近づいてきたユーリが息を飲んだ。「私ら、べつにいらなかったですね・・・」ルゥチェも呆けたように呟く。



辺りに静寂が戻るとバミルはふっと何かを追うように空を見上げた。
沈みゆく太陽を背にしたその姿は少しばかり神々しく映る。

飛んでいく魂でも追っているのかな―――とジャラヒは思った。

*****


「・・・どうする、観光続けるのか」
服の埃を払いながらジャラヒが言うと、バミルは金髪の青年の方を見ずに首を横に振った。
「もう少し滞在したかったが、生憎愚かものどものした事の始末をつけに帰らねばならなくなった。奴らが集めていた魂は我が名にかけて元の身体に戻しておこう」
地獄の王子が腕を一振りすると、一瞬視界が暗転し、次の瞬間には全員がジャラヒが泊まっていた宿の部屋に移動していた。
「すげーな、さすがなんでもできるな、王子さまは」とジャラヒが呆れたように呟く。

バミルはジャラヒたちをぐるりと見回すと「世話になったな、約束どおり褒美をとらせよう」と厳かに言った。
3人は顔を見合わせた。
「金や宝物は望まぬのだろう。申せ。記憶を変える、想い人に会う、なんでもよいのだぞ」
“記憶”はユーリに、“想い人”はジャラヒとルゥチェに向けられた言葉である。
あの・・・とユーリが躊躇いがちに小さく手を挙げた。
「俺はなにもいりません・・・・もしどこかだけ都合よく変えたらそれはもう俺じゃなくなってしまう気がするんです・・・それに俺はずっとあなたの事疑ってたし、何も受け取る資格がありません」
そう言うと、ユーリはばつが悪そうに苦笑した。
次になんか偉そうに腕組みしたルゥチェが、私はァと口を開く。
「明日1日、ロウハルト元帥の語尾を“にゃ”に変えてほしい」
「ルゥチェやめろ。マジやめろ」
「えー!・・じゃあべつにいいや褒美とか。急には他に面白そうな事思いつかないし」
「・・いやべつに面白くなくていいんだけどな」
「ほう、おまえは両親の顔を知らんのだろう。会わせてやる事もできるのだぞ」
「ん・・・お、お父さんお母さんには会ってみたいけど、自然でいい。会えたら会えた、会えなかったら会えなかったで。・・・・だからべつにいい」
バミルは納得したようなしなかったような表情を浮かべ、最後にジャラヒを見た。

「おまえはどうする」

ジャラヒは唾をごくりと飲み込んだ。
彼が捜し求める少女――また、会いたい――リオディーラに。

でも――
思わず、ふっと笑う。

「俺も止めておく、魔神とか悪魔とは相性が悪くてな。まー貸しにしとくから俺が地獄に落ちたら減刑してくれよ」


3人の答えを聞いたバミルは意外そうな顔をした後、可笑しそうに微笑んだ。
「人間とは面白いものよの」
彼が手をかざすと机の引き出しがひとりでに開き、地獄の王子はふわりとその中に飛び込んだ。上半身だけを引き出しから出したバミルは一度振り返り、3人を見渡してニッと笑う。
「ではさらばだ。地獄に落ちたら会いに来てくれ」
彼の逞しい背中が異空間の闇の中に消えると、引き出しは元通りにぴしゃりと閉じた。


「ああ!縁起でもねーがな!」


*****


少し話しをしてユーリとルゥチェが各々の部屋へ消えた後、ジャラヒは硬いベッドに身を投げ出し、ふうとひとつ息を吐いた。
長い一日だった。明日からはちゃんと待機命令を守らなければ。
そう考えながら、窓のほうへ寝返りを打つ。そろそろ日付が変わる時間だろう、明日は天気いいのかな、そんなとりとめもない事を考えていた――その時。


がたがた、と机の引き出しが揺れ、ジャラヒはびくりとベッドの上で飛び上がった。


引き出しがひとりでにすうっと手前に伸びてくる。


のそり、と裸の男が上半身を現した。金色の髪、背中にはまるで鳥のような白い翼。
凍りつくジャラヒにゆっくりと顔を向け、男が問う。
「君・・・・ここはブリアティルトかね?」

「ひっ!」


[終わり]

tag : ジャラヒ

2014-11-26 : いただきもの : コメント : 0 :
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【SS】物語を繋ぐモノ【short story】byナンバーズ・ラボ

ナンバーズ・ラボ様にいただきました!!

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「失礼する。ジャラヒ殿はご在宅かな?」

その男、フィボナッチは前触れもなく…行動に脈絡や理由を求めるのは困難な人物であるが…赤雫☆激団の本拠に現れ、応対に出たドロシーに尋ねた。
「坊ちゃんでしたら、外出しております。さほど遅くはならないと思いますが、研究室へへ伺うようお伝えいたしましょうか?」
「遅くはならないのであるか…支障なければ中で待たせてもらってもよいかな?……おおそうだ、これはカプレカの奴からなんだが…皆で食してくれと持たされた。手作りのプリンだと言っておったな。」
「これはわざわざ…ありがとうございます。フィボナッチさんのお時間に問題がなければ」
ドロシーが言い終わるのを待たず、フィボナッチは肯定の雰囲気だけを感じ取り勝手しったる他人の家とばかりに客間へと入っていった。


夕暮れも迫り、フィボナッチの来訪から四半日程のときが経つころ…尋ね人ジャラヒが本拠へと戻ってきた。リオディーラの育児書がらみで馴染みとなった本屋でついうっかり話し込んでしまったのだ。

「フィボのやつが待ってるだって…?いったい何の用だってんだか。…ん?」

ドロシーから来訪を聞き、外出着から着替えようと私室へ入ろうとする。だがその矢先、室内に人の気配がする。リオはさっき食堂でカプレカからもらったというプリンを満面の笑みで食べていた、違う。フィボ?やつは客間で待っているとドロシーから聞いているからこれも違う。となると…空き巣だな。
即座に判断を下し行動へ移す。すばやくドアを開き、侵入者に反応する隙を与えず魔法を放り込む。

「アトムっ!お前が誰だかしらねぇが、忍び込んだ場所が悪かったとあきらめるんだな」

ややあって魔法の煙が晴れてきたとき、ジャラヒは息を呑んだ。侵入者は相変わらず…というよりもむしろ、放り込まれた魔法を意に介さずそこに佇んでいたのだから。
歴戦の傭兵ならともかく、こそ泥程度には耐えうるはずもない…であればリオの身が危ない!己のことはさておき愛する少女を守らんときびすを返しかけたその瞬間、部屋の中から声がかけられた。

「くくく…ジャラヒ殿、遅かったではないか。まったく……待ちくたびれてつい家捜しをしてしまったぞ。まぁ、最も欲しかった物はないが、代用品は見つかったという所であるがな…くくく…」

常に寝癖のようなくせっ毛をしている頭髪はアフロになり、よれよれの白衣は煤けていたが声の具合は間違いようもない、客間で待っているはずのフィボナッチであった。それが確認できるとジャラヒの全身から一気に力が抜け、代わりに怒りがふつふつとこみ上げてきた。

「おいフィボ、お前は客間で待っているんじゃなかったのか!?って言うかなんで人の部屋に勝手に入って家捜ししてるんだ?おぃ、なんか言えよ!ぜぇはぁ…」
「うむ、そんなに怒鳴らずとも答えるとも。まぁ…ジャラヒ殿の帰宅を待ちきれず、同意を得ることを前提にして行動していた…そういう事であるな。」

勢い込んで詰め寄るジャラヒに対し、フィボナッチはいつもと変わらぬ軽薄な…人を小ばかにしたような笑みを浮かべて軽く答える。が一転、常にはないまじめな表情になり詰問者へ問いかけを返す

「ジャラヒ殿…このままでいいと思っておられるのか?ロイ殿の事、そして…リオ殿の事…」
「いいなんて思ってるわけねぇだろ!けどよ、俺にできる事なんて…(ぶつぶつ)」

勢い込んで言い返すものの、まさしく竜頭蛇尾の体で言いよどんでしまうジャラヒ。しばらく話し込んだ後、日を改めてジャラヒがフィボナッチのラボを訪れる事となった。その様子を見ていたロイによると「悪徳訪問販売員に言いくるめられたジィさんみたいだったぜ」とのことである(合掌)

それから数日、準備ができた旨の連絡を受けラボを訪れたジャラヒ。朝早くに訪れ、研究室へと案内された彼の目に飛び込んできたのは、およそプリアティルトの文明水準からは考えられない『医療機器』によく似たものであった。

「ジャラヒさん、引き返すのなら今のうちです。主任からおおよその事は聞きましたが…成功率は数%といったところでしょうか。下手をすれば命にもかかわってきますよ…」

そう問いかけてきたのは、ラボの用心棒にしてハウスキーパーのカプレカである。フィボナッチほどではないが、彼の研究に対する理解を持つ人物である。実験に危険が伴うというのはそう外れていないのであろう。


「心配サンキュな。だけどよ、引けねぇことはあるのよ。分かんだろ?特に…俺にとって、あのリオの事ならなおさら…な」
「そこまで決心しているなら止め立てはいたしません。後は…主任の気まぐれで危険な行程が追加されないように祈るだけです。」
「ははは…確かにそれが一番怖えや。ま、フィボの技術自体は疑ってねぇからよ。危ねぇことしそうになったときに止めてくれよ。頼むぜ…っておいフィボ、これは何だよ!?」
軽口の応酬で不安を軽減している間にも黙々と準備をし、気がつくとジャラヒの頭にはハリネズミのように数多のコードが刺さったヘルメット状のものが被せられていた。

「くくく…ジャラヒ殿の”脳力”を測るための装置であるな。安心するがいい、自爆装置は付いておらぬゆえな(ぽちぃ)」
「お、おいフィボちょっと待て…っ!」

被験者の誰何に対し答えにならぬ返答が帰ってくる。止める声も間に合わずスイッチが入れられると、つながれた機器からは様々な計測値が続々とはき出されていく。人前では見せない、引き締まって鋭い眼光を放つフィボナッチ。ヘルメットの下から喜怒哀楽の表情をのぞかせるジャラヒ。それらを心配げな表情で見守るカプレカ…。機器の発する騒音と時折発せられるジャラヒの呟き、それだけをBGM代わりにしてラボの時は進んでいった。



日も大きく西に傾く頃、ようやくそれは終わりの時刻を迎えた。
「ジャラヒ殿、気分はいかがかな?」
いつものにやけ顔に戻りつつ、ヘルメットを脱がせるフィボナッチが問う。
「………よくねぇよ。ってか疲れた。ってか何でわざわざリオの記憶を再生して俺に見せたんだ?よく出来てたな…ってかお前はデバガメか!?」
疲労困憊、といった体でジャラヒが問い返す。
「それは違うぞジャラヒ殿、再生して見せたのではない。記憶の底に眠っていたものを呼び覚まし見せてもらったのだ。まぁ、そのついでにジャラヒ殿の魔力の波長を確かめさせてもらったがな。くくく…」
「そうだジャラヒさん、夕食はどうされます?よろしければケヤキの方で用意してもらいますが。」
「ワリィ、あそこのメガ盛りってのもいいんだけどよ…今日はパスだわ。さっきも言ったけど疲れちまったしよ。それに…リオが俺の帰りを待ってっからな」
「うむ、リオ殿が待っているなら仕方がないな。まぁ、今日の成果はそう遅くならんうちに持っていくとしよう。お疲れ様であった」
「あぁ、ほんっと疲れたわ。ま、期待しすぎねぇ程度に待ってるぜ。じゃぁな」
「なぁフィボ、これはいったい何なんだ?」

ジャラヒがフィボナッチの研究室で実験を受けてから数日後、激団本拠を訪れたフィボナッチ。彼はどうだと言わんばかりに胸を張って発明品を示すが、ジャラヒは心底不思議そうな顔をして問いかけた。

「ん?何だと問われてもな…見たままのものだとしか言いようがないな。さて、どう説明したものか」

もともと思考が捻れているフィボナッチ、そこへ来てさらに独特の思考にひねりを加えたものを作ったらしく彼自身も説明をしがたいといった体のようだ。

「わかり辛いようで申し訳ありません。これは単独では機能しないもののようでして、こちらの2冊のうちいずれか…もしくは両方とセットにすることで効果を発揮できるらしいのです」

フィボナッチに同行してきたカプレカが追加を取り出しながら説明をする。彼自身も正確には理解していないのであろうが、フィボナッチに任せていては文字通り日が暮れてしまうと懸念したのであろう。
取り出された2つの冊子にはそれぞれ“赤雫★激団物語”“ジャラヒの子育て奮闘記”と表書きがなされていて“Blank Note”と書かれた最初の冊子の上に重ねられた。

「まぁ!坊ちゃんの奮闘記ですか。拝見してもよろしいですか?」
一方が丁度ティーポットと茶菓子を持ってきたドロシーの目にとまり興味を引く。あえて手出しをしてこなかった彼女にとってに映っていたかは気になるところなのであろうか。

「うむ、ジャラヒ殿とリオディーラ殿以外にとってはどれもただの文字記録に過ぎぬからな。まったく持ってかまわぬぞ。」
「…ん?俺とリオ以外にはただの文字記録…?ってことは何だ?この間カプレカが言っていた“命を落とすかもしれない危険性”ってのはいったい何なんだ?」

ただの記録であれば危険なぞあるはずもない、ジャラヒが疑問に思うのももっともである。それに対するフィボナッチの返答は彼らしくあり、脱力を誘うものであった。

「ん?それはな…測定中に構想を面白くなく感じてしまってだな。この形式のほうが安全でかつ面白そうだということで路線変更をしたのだ。」
「ところで主任、これらはどういう理屈でどのような効果のあるものなのですか?」
脱力しきり、突っ込みを入れる気力も失われかけているジャラヒに代わって助手の立ち位地からカプレカが問いかけの形で説明を促す。
「うむ、そうであった。それを説明せねばならなかったな。その前にふたつほど再確認させてもらうが…ジャラヒ殿、そもそもリオ殿は物語を核にしてジャラヒ殿の想念が形作っていた。それと、以前リオ殿が消滅したのはジャラヒ殿とハッピーエンドを迎え物語が完結してしまったから………それに相違はないな?」

肯くジャラヒにフィボナッチは説明を続ける。彼に語らせるといつまでも終わらないので要約すると以下のとおり
・Blank Noteはジャラヒと魔法的に接続することで彼とリオディーラに関わる  ことを自動的に記述していく。
・記述により物語の結末を強制的に取り払い、リオディーラ顕現の核とする。
・“赤雫★激団物語”・“ジャラヒの子育て奮闘記”はそれぞれ過去・現在のリオディーラを表し、Blank Noteと魔法的に接続することにより「リオディーラがプリアティルトでジャラヒと出会ってから消滅するまで」と、「ロイの魔力で顕現してから現在まで」のいずれかの記憶を持ったリオディーラとなる。両方をつないだ場合には、運がよければ両方の記憶を持つが、悪ければどちらの記憶も持たないまっさらな状態になる。
・どちらも接続しなかった場合にはオリジナルのリオディーラが現れるかもしれない。

「まぁ、これはあくまで可能性の事象平面から一点を取り出そうとするものだ。上手く行くか否かはまったく予想が付かぬ。よってどれかを選べということは私には言えぬな。どれも選ばないという選択もあるからな。くくく…」
「フィボ、説明がくどいぜ…。まぁ…必要なところは理解出来たっぽいからいいけどよ。」
説明が終わる頃、フィボナッチたちの来訪時に中天にあった太陽はすでに西に沈みかけていた。ジャラヒとともに隣で説明を聞いていたドロシーなどは意識を彼方へ退避させてしまっている。ジャラヒも疲労困憊といった体だが、それを覆い隠すほどの期待が見て取れる。

「主任、それではお暇しましょうか。ここから先は文字通りのお邪魔虫になるでしょうから。それでは、お邪魔いたしました。」

備えとして居座らんとするフィボナッチの首根っこをつかみカプレカは辞去していった。

「(ジャラヒさん、悔いの残らないようお願いしますよ…)」

一人、応接間に残ったジャラヒの選択は…そしてその結末は…また、別のお話。

果たして、どの物語がつながり、紡がれていくものなのでしょう…。

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2014-07-06 : いただきもの : コメント : 0 :
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【戴き物】【SS】未だ遥かなる黄金郷

N.H.N.B隊様から頂きました。
ジャラヒが10期、ダリアから逃げつつ、リオと再び逢う手がかりを探している時の話です。
N.H.N.B隊様ありがとうございました!

N.H.N.B隊ジャーナリスト、弧月が出逢った男は―――


□■□■□■□■□■□■

 オーラム共和王国首都・アティルトのスラム街。
 その一角にある雑居ビルから取材を終えて出た弧月を迎えたのは、護衛と案内のために雇っていた傭兵ではなかった。
 口元に人の良さそうな、しかしなんとなく不敵にも思える笑みを浮かべた青年。
 ブロンドの長くない髪をポニーテールのように束ね、オーラムのファッショントレンドを意識したカジュアルで身を固めている。
 ともすれば軽薄な、チャラい若者に見える出で立ちだが、治安の悪い場所の只中で緊張感をほとんど感じさせない様子は、堅気のものではない。
 その顔立ちは20歳前後の若さを感じさせながらも、些か面やつれしているようでもある。
 そのくせ眼光だけは、歳相応の攻撃性を持って弧月を逃すまいと見据えていた。
「肉落ち骨秀で、眼光のみ徒らに炯々として」(中島敦『山月記』)とまでは言わないまでも、何かに追い詰められた者のような凄みを感じさせる顔立ちは、明るめな装いとのミスマッチにより、却って不気味な存在感を放っていた。
 弧月の思考と動きは強ばった。
 ビルを出るときに上着の中に手を入れ、忍ばせたショットガンをいつでも抜けるようにしていたが、手はそのまま固まっていた。
 青年は腰に手を当てている。拳銃や短剣といったものも、見えるところには見えない。
 しかし、だからといって丸腰と言える保証はなかった。指や目から魔光線を放つなら、早抜きの必要などない。
 弧月はすくみあがっていた。
 彼女とて、セフィド軍の臨時動員兵として訓練されているし、いくらかの危険もくぐり抜けてきている。凶悪なだけのゴロツキになら、遅れは取らない。
 残念ながら、この青年はただのゴロツキではなさそうだった。
 彼の表情は、目的をはっきりさせた人間の大胆さに満ちていた。少なくとも、行き場のない欲求不満を暴走させた酔漢の顔ではない。
 弧月は彼の表情と視線、佇まいだけで射すくめられたのだ。
「驚かせてゴメンな」
 青年は口を開いた。若者らしい声。気さくそうな口調。だが、姿勢に揺らぎはない。
「俺は……ウォルト。ウォルト・レディンだ。初めまして、だな。コヅキ・ツカハラさん?」
 この挨拶は、弧月にとって更なる威圧となった。
 青年は自分のことを知った上で接触してきた。……よりによってこんな場所で。
 そこから考えられることは、彼が表通りで話せない立場であること。
 そして、なぜか弧月を尾行していたことだ。
 弧月は目だけを動かし、周囲を窺った。傭兵の姿は見えない。
 ……が、わずかながら地面に血痕が見える。
 その血の赤は、弧月の体の体感温度を急激に下げ、口の中を震わせるだけの意味を持っていた。
 蛇に睨まれた蛙とは、まさにこのことだ。
「……まぁこんなところでいきなり顔合わせて、信用しろって方が無理だけどさ。けど、なんだ。俺って、今うかつに表歩けない身だから、これしかなくてさ」
 レディンと名乗った青年は、なんでもないことのように、自分が後暗い人間であると明かした。
「さっきの兄さんにも、やっぱり信用してもらえなかったから、……あとはお察しな」
 何をしたのかは知らないが、この青年はハッタリではないプロの傭兵を排除して、疲れや負傷の一つも見せていない。
 首から上だけは世間話でもするように振る舞い、下は一切隙を見せない。
 多少なりとも戦闘術をかじっているからこそ、弧月はレディンがかなり場慣れしていることを確信していた。
 ……つまり、彼の意思一つで、自分はたやすく食われるだろうと。
 スラム街のある廃屋の中、二人は対面していた。
 レディンは床に正座して両手を首の後ろに置き、弧月はすぐに肉薄されない距離を開けて、彼にショットガンを向けている。
 しかしこの状況をセッティングしたのは全てレディンだ。
 ここに来るまでの間、レディンは銃を向けられながら、弧月をこの場に先導した。比較的安全な場所で本題に入るためだという。
 状況が完全に相手に握られていることを意識しながらも、弧月はどうにか声を発するだけの余裕を取り戻していた。
「何が目的ですか?」
 得体の知れない男のセッティングした場で、彼女はようやく、単純にして根本的な質問を発した。
「探し物しててな」
 レディンは答えた。すぐに動けない状態で散弾銃を向けられながらも、動揺は全く見せない。
 しかし、その口調からは先までの軽さが影を潜めていた。彼にとってそれだけ重要な案件なのか。
「弧……塚原さん。あんた、文学に詳しいジャーナリストなんだってな」
 レディンの視線は、弧月にまっすぐ向けられていた。
 弧月にとって、人と目を合わせ続けるのは軽くないストレスだったが、今目を逸らすのはあまりに危険だとも思っていた。
「どこからそんな話を?」
 弧月にとっては、それが一番の疑問だった。自分がピンポイントで狙われるような名声や実績、コネを持っているとは思えない。
 ……いや、コネなら一応ある。叔父が高名な医者だ。が、医学会以外でも知られているかは疑問だった。それに、叔父への接触が目的なら、レディンのやり方は回りくどすぎる。
「それは……探し物のことを知ってそうな人を調べてるうちに行き着いたんだ。何か知ってそうで、かつ割と会いやすい人ってな」
 レディンのその返答は、先までの言葉に比べて明瞭さに欠けていた。それを自分で分かっているのか、彼は弧月から視線を逸らした。
「絵本を探してるんだ。けど、出回ってないのか、全然見つからなくてさ」
 絵本という単語に、弧月は内心少々面食らった。
 表通りを歩けないような男が、無名のジャーナリストを捕まえて、絵本を探している。
「けど、今の俺が文学者とか出版業者に会うのは、正直無理そうだからな。
 それで、文学方面に詳しくて、できるだけ安全に会えそうな人はいないかって思ってたら、たまたまあんたの記事が目に付いたんだ。フォーネル・クロッシングに、いくつか書いてたよな?」
 確かに弧月は、フォーネル・クロッシングという文芸誌に、文豪ゆかりの地の写真とともに、何度か寄稿文を載せてもらっていた。
 巻末の寄稿者プロフィールに、副業で傭兵をやっていることも書かれていたはずだ。
「……それで?」
 可能な限り冷静そうに振舞おうとしながら、弧月は最低限の言葉で話の続きを促した。
「あとは、セフィドの傭兵組合に問い合わせて、仕事って名目で呼びつけて、話すつもりだったんだけどさ……」
 そこまで続けたところで、レディンは再び弧月に視線を戻した。……口元を微かに、不敵に歪めながら。
「質問タイムは終わりな」
 その視線と声は、先よりも一段低く冷たいトーンを持っていた。
 視線を逸らされたことでいくらか落ち着いていた弧月にとって、それは不意打ちとなった。
 彼女は再び気圧されたのだ。
 弧月の表情が固まったのを一瞬で見て取ると、レディンは後頭部に回していた両手を素早く振り下ろした。
 そして振り下ろされた両手から何発かの魔光弾が放たれ、弧月の両脇をかすめていった。
「…ぁっ!」
 弧月は喉の中で、短く切れたような小さい悲鳴を上げた。
 すくんで固まった彼女の足は反射的に(遅すぎる)回避運動をしようとしたが、それはかえって、自身のバランスを乱すだけだった。
 崩れそうな足を持ち直そうと踏ん張った時、思わず力んだ右手がショットガンの引き金を引いてしまった。
 上向いた銃身から、轟音と共に散弾が発射され、その音と反動で弧月は左斜め後ろに倒れた。
 尻の右側を打ち付けて上ずった呻きを上げながら、彼女は右腕で受身を取り、上半身を床に打ち付けるのだけは防いだ。
 取り落としたショットガンが、むき出しの硬い床に落ちて乾いた音を立てたとき、腰と右腕の痛みに呻く弧月に、レディンが声をかけた。
「こっち見ろ」
 言われるがままに弧月が目を向けると、目に入ったのは、レディンの足だった。
 彼はすぐ近くまで来ていた。
 弧月は彼の顔を見るために視線を上げたが、すぐに後悔した。
 弧月のすぐ前で、無表情のレディンが、開いた右手を彼女に向けながら、彼女を見下ろしていた。
「あんたは俺の質問に答えりゃいい。そうすりゃ、何事もなく表に帰してやる。余計な気を起こしたら……」
 先までよりもトーンが落ち、テンポの遅くなった声と共に、レディンの右手の周囲に、可視化された魔力が発生した。
 暴漢に襲撃されたような体勢で身を震わせる弧月の、涙で潤んだ視界の中央で、レディンは口元を歪めた。

「赤い雨が降るぜ?」

 青白く光る魔力は、彼の手を中心にして、炎のように揺らめいていた。

*****
 ウォルト・レディン、本名ジャラヒ・ワートンは、内心で歯噛みしていた。自分が何者か明かさないようにしながら話すのは、思っていた以上に難しいものだった。
 顔を合わせた時の反応から、弧月がジャラヒのことを覚えていないのはほぼ間違いない。それがわかると、接触する相手を間違えたのでは、という懸念が彼の脳裏をよぎった。
 彼がかつて属していた集団、赤雫☆激団は、武勇とは違う形とはいえ、傭兵業界では広く知られた存在だ。現在その代表を務めているダリアが、殺気立った様子でジャラヒを探していることも、少なくともオーラムではよく知られている。
 有名な集団の代表が、ジャラヒの顔写真を公開し、血眼になって彼を探しているのだ。周期を認識しない弧月は、今のジャラヒを知り合いとは見ないだろう。
 もし彼の捜し物の手がかりがオーラム国内にしかなく、弧月が後でジャラヒの目撃情報をダリアに流した日には、極めて厄介な状況が出来上がってしまうだろう。
 かと言って彼女は、楽しい催しを通じて少しとはいえ語らった相手だ。スラムの悪党のように扱いたくはない。
 だが、こうして会って話しかけてしまった以上、もう後には退けなかった。それに、求める情報について心当たりがありそうな人物を、ジャラヒはあまり知らなかった。
 ダリアにしっぽを掴まれる前に事態を動かすためには、多少強引なやり方になってでも、情報を引き出さなければ。
 ダリアたちの間違った記憶通りの人間として振る舞うのは癪だったが、“あの娘”にもう一度会わない限り、もっとひどいことが避けられなくなる。
 “あの娘”の再来で、歪んだ全てが丸く収まってくれることを願いながら、ジャラヒは自ら捨て去った暗い淵を、もう一度覗き込んだ。

 気の毒なジャーナリストは、あまりにも容易くレッド・レインの術中にはまった。
 ようやくスムーズに問答ができそうになった頃には、弧月の表情は何とも虚ろなものになっていた。まるで死を前にした人間のように。

 ジャラヒはとても不愉快だった。
 かつての殺伐としたギャングとしての自分を、さしたる難もなく呼び戻せたことが。
 弧月に謝罪できるチャンスが来るかどうか、わからないことが。
*****

「それは恐らく、ローベック原作の絵本ではないでしょうか」
 背中から小さな翼の生えた鳥族の女の子が、たどり着くと願いが叶うという黄金の国を目指して冒険する物語。
 ジャラヒが探している絵本についていくらかの解説をすると、弧月は虚ろな表情で俯いたままそう答えた。
「聞いたことないな。あんまり知られてない作家なのか?」
 ジャラヒの更なる問いかけに、弧月はすぐに返答を始めた。その言葉は、ややぎこちなさのあった先の詰問よりも、明らかにスムーズだった。
「ローベックは異界の作家で、ブリアティルトに来たこともありません。たまたまこの世界に流れ込んだ彼の一連の作品が、オーラムのオーデンス・ファウエル伯爵に気に入られ、写本が出版されました。そしていつしか、知る人ぞ知るジュブナイルの名作になっていったのです」
 弧月はそこまで解説して、ひと呼吸置いた。ジャラヒは感心しながらも、より肝心なところへ話を進めた。
「そのローベックの作品には、俺が言った絵本も入ってるのか?」
 弧月は一瞬上目遣いでジャラヒの顔を見上げ、話を再開した。
「はい。ローベックが、何巻にも渡る自分の長編を一冊に収めた、ダイジェスト版とも言うべきものです。残念ながら、この絵本はこちら(ブリアティルト)では大変貴重なものです」
「何でだ」
「文字は訳して書き写すことができますが、紙に描かれた絵を複製することはできません。帝国でそれができるマシンが開発されたそうですが、まだ一般普及できるコストではないようです」
 弧月の論述を聞いている間、ジャラヒは脳内で自分のするべきことを整理していた。焦燥で乱れた目的を、今一度確認する必要があったからだ。
 “あの娘”にどうすれば再会できるかは、はっきり言って分からない。だが、ジャラヒはなんとしても彼女に会いたいし、会わなければならなかった。
 そのためには、まずは彼女と関係のあるものを手に入れてみようと、ジャラヒは考えた。その代表格があの絵本だった。
 彼女の物語があの絵本だけでなかったのは興味深いが、今最も重要なのは、一番知りたいことがはっきりしてきたことだ。
 ジャラヒはようやく、今回最も聞きたい質問を口にした。
「異界から流れてきたあの絵本は、どうすれば手に入る?こっちで出版されたんじゃないやつだ」
 ブリアティルト側で出版されたものは、彼女を描いたものでも、ただの書籍でしかない。ジャラヒが求めているのは、黄金の門の影響を受けたものだ。
 弧月は顔を僅かに歪め、渋みのある表情になった。
「ローベック作品のオリジナルを手に入れるのは、かなり難しいでしょう。古本屋で見つかれば奇跡と言っていいでしょうし、今も持っているような所有者は、そう易々とは譲らないはずです」
「一応聞くが、持ってる人を知らないか?」
 そう問われた弧月の目に、いくらかの光が戻った。まずい兆候だ。恐怖で麻痺した感情が戻りつつある。
 他人の情報を流せという要求に、プライバシーに慎重な報道人のプライドを刺激されたのかもしれない。
「申し訳ありませんが……」
 弧月はいくらか沈んだ声でそう答えた。
 それを聞いたジャラヒは、再び考え込んだ。これ以上の情報を聞き出すのは難しいだろう。とはいえ、充分有力なものは得られた。
 ファウエル伯爵といえば、今の戦争が始まる数年前に亡くなっている。その遺産は、家督を継いだ嫡子に丸々相続されたという。
 ……ジャラヒは口元がにやけそうになるのを抑えた。どうやら道筋が見えてきたようだ。
 当面の目的を果たす目処がついたジャラヒは弧月に礼を言い、表通りの近くまでエスコートしていった。
 まだジャラヒ(レディン)への恐怖心が抜けきっていない弧月は、言われるがままに動いてくれた。ジャラヒが最後に心ばかりの謝礼金とともに渡したラムネの瓶も、素直に受け取ってくれた。
 別れる前にジャラヒは、そのラムネを必ず1時間以内に飲むように念を押した。
 それは、いざという時の切り札の一つとして、怪しげな魔術師から仕入れた秘薬だった。これを飲むと、飲む前の約6時間のことを忘れるという代物だ。
 効くかどうかは確かではなかったが、黄金の雫を使っているのだ。案外信用できるかもしれない。
 それが今のジャラヒにできるせめてもの罪滅ぼしであり、証拠隠滅だった。


 裏路地を去っていく弧月を見送りながら、ジャラヒは切に願っていた。
 弧月がジャラヒのことに気づき、ダリアたちに知らせないことを。
 絵本が“あの娘”につながるという勘がハズレでないことを。


*****
 二週間後、セフィドのある貴族の屋敷が窃盗被害に遭うというニュースが、新聞の一角に掲載された。
 屋敷からは少しの金目のものと、家主が大事に保管していた稀覯本が盗み出されていたという。
 だがその小さなニュースは、弧月にとってはどうでもいいことだった。
 その時の彼女には、記憶の一致しないメモと写真を頼りに書いた記事が、採用されるかどうかの方が問題だったからだ。

tag : 第10期 ジャラヒ 戴き物

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Author:赤雫☆激団
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